Q&A
05
PET/CT検査の注意事項について教えてください。
A
PET/CT検査の注意事項
FDGという薬剤の性質上、いくつか注意していただきたいことがございます。
順番にご説明します。
- 食事の制限
- 水分について
- 運動の制限
- お薬について
- 検査後の過ごし方について
PET/CT検査の注意事項 その1 食事の制限
- 検査の6時間前から絶食(ガム、飴を含む)をお願いします。
- 6時間以上前でも炭水化物や糖分の摂取が多いと検査の精度が落ちることがありますので、検査当日に食事をとられる場合は、通常の半分以下の量にしてください。
- また、シュガーレスであっても、ガムをかむことにより咀嚼筋群(あごの筋肉)に運動負荷がかかりますので、お控えください。
PET/CT検査の注意事項 その2 水分について
- 水分は、糖分やカロリーのあるジュースや牛乳などの飲み物、アルコール類は禁止です。
- 水やお茶など、糖分やカロリーを含まない飲み物はいつもより多く飲んでください。
余分なFDGは尿から排泄されますので、これらの飲み物を検査前にできるだけ多く飲んでいただきますと、PET画像がきれいになり、放射線被ばくも少なくなります。 - 水分をとることを制限されている方は、主治医の指示に従ってください。
PET/CT検査の注意事項 その3 運動の制限
- 検査の前日から検査終了まで、運動はお控えください。
- 運動により負荷がかかった筋肉では、通常よりも多くのブドウ糖を取り込みますので、FDGが集まってしまいます。このため、がんの検査の精度が落ちることがあります。
- 検査前日よりジョギングなどの軽い運動も避け、なるべく安静に過ごされるようにお願いします。
- 検査当日の待ち時間にも読書、電話、メールなどはおひかえください。眼筋(目のまわりの筋肉)や腕の筋肉にFDGが集まってしまいます。
- 安静にしていただくことで筋肉におけるブドウ糖の使用を減らすことができ、より診断のしやすい画像となります。
PET/CT検査の注意事項 その4 お薬について
- 糖尿病の飲み薬、インスリンなどの注射薬は、検査当日から検査終了まで使用しないでください。
- 糖尿病のお薬を中止できない場合は事前にご相談ください。
- このほかのお薬は中止の必要はありません。
- いつもよりも多めのお水や白湯でお飲みください。
PET/CT検査の注意事項 その5 検査後の過ごし方について
- 検査の終了後も身体の中には少量の放射性物質が残っています。
この放射性物質は時間の経過とともにどんどん少なくなっていきます。
注射後約2時間で半分になり、4時間でさらに半分(4分の1)に、検査の翌日には測定することができないくらいまで減っていますのでご安心ください。 - 放射線による周りの方々の被ばくを防ぐため、検査終了後2時間はできるだけ人込みを避けてください。
- 検査当日は、とくに乳幼児や妊産婦との接触をなるべくお控えいただくようお願いいたします。
05-1 なぜPET/CT検査の前には食事制限(検査前6時間の絶食)が必要なのですか? A
PET/CT検査では、がん細胞が大量のFDGを取り込む性質を利用しています。
検査の前に食事をしたり糖分を含んだ飲み物を飲んだりすると、血糖値が上昇してしまいます。
血糖値が上昇した状態、すなわち血液中にブドウ糖が十分に存在している状態では、がん細胞はすでに満腹状態となっていますので、FDGを注射してもあまり取り込まなくなります。
その結果、がん細胞にFDGがよく集まらず、がんを見つけることが難しくなってしまいます。
血糖値が高いと、身体の中にブドウ糖が豊富に存在している
この状態で18F-FDGを注射しても・・・
検査の前の絶食を守っていただきますと、血糖値は下がります。
血糖値が低い状態、すなわち血液中にブドウ糖が不足している状態では、がん細胞は非常に空腹な状態となっています。ここでFDGを注射しますと、がん細胞はFDGをガツガツと取り込むことになります。
その結果、がん細胞にFDGがよく集まり、がんを見つけやすくなります。
血糖値が低いと、身体の中のブドウ糖が不足している
この状態でを注射すると・・・
05-2
PET/CT検査の直前までお水やお茶は飲んでも大丈夫ですか?
どのくらい飲めば、もしくは飲んでもいいですか?
A
- 腎臓の病気などで主治医の先生から水分摂取の制限されている場合を除き、いつもより多めに飲んでいただければ大丈夫です。
- 検査の直前まで飲んでいただいてかまいません。
- 飲みすぎてしまうと気分が悪くなったりしますので、水分摂取を心がける程度でよいでしょう。
- 注射されたFDGは尿から排泄されます。余分なFDGをすみやかに体外へ排出させるために、当センターでの待ち時間にもお水もしくは無糖のお茶を200~500mlほどお飲みいただきます。
- これには画像をよりきれいにする、被ばくを減少させるというふたつの意味があります。
05-3 なぜPET/CT検査の前には運動を控えなくてはいけないのですか? A
- ブドウ糖は筋肉のエネルギー源としても用いられます。FDGを注射する前に運動により筋肉がエネルギーを消費しますと、その筋肉にもFDGが集まってしまい、診断しにくい画像になります。
- さらに筋肉にFDGが集まった状態では、がん細胞へのFDGの集まりが相対的に低下しますので、がんを見つけにくくなります
- 検査当日はもちろんですが、検査の前日でも運動をすると、よく動かした筋肉にFDGが強く集まります。
- 検査の直前にガムをかんだ場合でも咀嚼筋(あごの筋肉)にFDGが集まります。
- 検査前日よりジョギングなどの軽い運動も避け、なるべく安静に過ごされるようにお願いします。
運動をすると、腕や脚などよく動かした筋肉にFDGが強く集まることがあります
05-4 PET/CT検査の当日、病院まで歩いていったり、駅で階段を登ったりすることは大丈夫でしょうか? A
- 運動すると使われた筋肉にFDGが集まり、診断しにくい画像になります。
- しかし、通常の生活の範囲内で歩くことや階段を登ったりすることは問題ないと考えています。