Q&A
PET/CT検診は何歳くらいから、どのくらいの間隔で受ければよいですか?
A
日本核医学会・PET核医学分科会の監修による「FDG-PETがん検診のガイドライン」 があります。
FDG による PETがん検診を実施する上で考慮すべき事項を述べたものです。
このガイドラインでは、PET/CTがん検診の積極的な対象者は中・高年者、特に50歳以上が望ましいとされています。50歳前後で多くのがんの発症率が高くなることが知られていますので、ひとつの目安になると考えられます。
家系的にがんが多い、いわゆるがん家系の方、喫煙などのがんの危険因子のある方でしたら、もう少し早い時期からお受けいただいてもよいと思います。
検診の間隔につきましては、1年に1度、PET/CTを含めた総合検診を受けるのが理想的ではあります。それが難しい場合は、PET/CTがん検診と特に気になっている部位のがん検診を1年おきに交互に受けるという方法もあります。
反対にPET/CTで見つけづらいがんもありますので、PET/CT検診だけを単独で受けつづけることはあまりおすすめいたしません。
PET/CTがん検診に限らず、1回きりの検診では「100%これで安心」ということはありません。続けていくことが大切です。
もっと詳しく! PET/CTがん検診をよりよく使うには?
PET検査ではがんが見つかるだけではありません。がん以外の炎症や良性腫瘍にFDGが集まることもあり、同時に行われているCT検査が役立ちます。
さらに超音波検査やMRI検査なども追加することにより、偽陰性(本当はがんであるのにがんではないとしてしまうこと)や偽陽性(本当はがんではないのにがんとしてしまうこと)を減らして、検診の精度を高めることができます。
また、一度に複数の検査を受けるだけではなく、過去の画像との比較も重要な判断材料となりますので、やはり続けていくことが重要であると考えます。
さらに詳しく! がん検診における偽陰性と偽陽性について
「偽陰性」とは、がんを見逃してしまうことです。
がんが見つけにくい場所にある場合、見つけにくい形をしている場合には発見できないことがあります。
しかし、初回の検診でがんが発見されなかった場合でも、続けて検診を受けていただくことにより、発見できる確率は高まります。
このような理由からも、がん検診は1回きりではなく、適切な間隔で受け続けることが必要です。
「偽陽性」とは、検診でがんを疑われて精密検査を行っても、がんが見つからないことです。
精密検査は、がんであることを確かめるこという目的とがんではないことを確かめる(がんの疑いをはらす)目的でおこなわれているのです。
精密検査が必要とされた方でも、「がんではなかった」という結果を受け取ることがあります。その間、受診者の方に心理的な負担がかかってしまいますが、がんの早期発見・早期治療のためにはある程度やむをえないことと考えています。