IMPT
当院の陽子線治療装置は強度変調陽子線治療 (IMPT: intensity modulated proton therapy) が可能です。
IMPT のメリットは、腫瘍の周囲にある正常組織の線量を従来法より減らし、腫瘍への線量集中性を高められることです。
当院では頭頸部など呼吸性移動の少ない部位で実施しています。
図にIMPT (左) と従来法 (中央) の線量分布、その差分画像 (右) を示します。
両者を比べると IMPT の方が腫瘍 (ピンク色) の外側の線量が減っていることがわかります。
また上記プランの腫瘍 (ピンク色) と正常組織 (緑色) の線量−体積ヒストグラム (DVH: dose-volume histogram) を図に示します。
実線がIMPT、破線が従来法です。正常組織はグラフの左下に近いほど良いことを表します。
IMPT と従来法を比較すると腫瘍は同等ですが、正常組織の線量は IMPT の方が少ないことがわかります。このように IMPT は腫瘍周囲の正常組織の線量を減らして腫瘍の線量集中性を高くすることが可能です。