2014年
-
2014.12.30<Vol.48>【12/30 2014年の仕事納め】
-
2014.12.23<Vol.47>【12/20 腎臓病総合医療センター忘年会】
-
2014.10.30<Vol.46>【10/15 SLEの公開講座リニューアル】
-
2014.10.14<Vol.45>【第25回 日本急性血液浄化学会学術集会に参加して】腎免疫血管内科
-
2014.10.07<Vol.44> 【9/26-10/3 沖永良部島応援 〜まだ蝉の鳴き声が〜】
-
2014.10.01<Vol.43> 【9/9 SK腎セミナー お題はサムスカ】
-
2014.09.27<Vol.42>【9/6,9/7日本腹膜透析学会で発表】
-
2014.09.17<Vol.41>【8/30腹膜透析患者会と9/1研究会の報告】
-
2014.09.05<Vol.40>【第4回腎移植症例カンファレンス参加】
-
2014.08.23<Vol.39>【湘南ADPKDセミナー開催! 私の過去、現在、そして未来へ】
-
2014.08.19<Vol.38>【Critical Nephrologyとは? ECU/ICUにて】
-
2014.08.14<Vol.37>【再生医療と趣味の釣り~良く学び、良く遊べ】
-
2014.08.11<Vol.36>【長期透析患者のCPC】
-
2014.08.07<Vol.35> 【やってきました。毎年恒例の釣り・BBQ!】
-
2014.08.02<Vol.34>【アフリカ トーゴ共和国透析支援報告】
-
2014.07.31<Vol.33>【暑気払いの食事会】
-
2014.07.28<Vol.32>【EDTA、腎と心血管障害研究会参加報告】
-
2014.07.23<Vo.31>【研修医2年目ローテート中! 松本です】
-
2014.07.18<Vo.30>【研究会報告と自己紹介! 吉田です】
-
2014.07.15<Vo.29>【第13回SK腎セミナー ~テーマは腎移植~】
-
2014.04.09<Vo.28>【腎免疫血管内科 若手医師育ってます!!】
-
2014.03.31<Vo.27>【今までお世話になりました】
<Vol.48>【12/30 2014年の仕事納め】
早いもので、2014年もあっと言う間に過ぎてしまいました。
手帳には、仕事上や家庭でのいろいろな1年の目標を書いているのですが、そのうち達成できたものは、、、、
さて、本日は当院の仕事納めの日です。当院では毎年12月30日は昼で仕事納めとなり、午後には1年間の慰労をということで、ちょっとした食事が饗されます。そして、同時に永続勤務者の表彰も行われました。
10年勤続、20年勤続の職員がその功労を表彰されるのですが、腎臓病総合医療センターからは4人の方が10年永続勤務で表彰されました。
医師からは、岡先生と石岡先生。岡先生は当初東海大学付属病院で後期研修を受けていたところ、当院での腎疾患研修を希望し赴任してから早10年。
そして石岡先生は、当院の初期研修2年、後期研修3年を経てそのまま腎免疫血管内科のスタッフと残ってくれて、二人とも今は医長として活躍してくれています。
また看護師としては、師長の山下昭二さん。山下師長は透析医療従事が長く、愛心会に入ってからは、当初かさまクリニックで勤務されていましたが、その後当院血液浄化センターに異動となり、今は大黒柱となって透析室を守ってくれています。
そして馬場美代子さん。馬場さんは常勤としては勤務歴10年ですが、非常勤のころから数えると、何と24年間も当病院の看護師として病棟で、日帰りセンターで、そして血液浄化センターで活躍されています。湘南鎌倉総合病院ができてから26年ほどですので、まさに馬場さんは湘南鎌倉の「生き字引」です。
左から馬場さん、山下さん、小林副院長、岡先生、石岡先生
昨今は、ある一定の期間で研修したり勤務した後、すぐに新天地を求めて転々とする勤務形態が、何かstep upしているようで格好良く見える時代のようですが、腰を据えてしっかりとモノや体制を作ってゆくことの大事さを、この永続勤務の方々から教えられる気がします。
さてもうすぐ新年。
2015年もベテランや若手が皆お互いに刺激し合って、頑張っていけたらいいなと思います。
血液浄化部
守矢 英和
<Vol.47>【12/20 腎臓病総合医療センター忘年会】
お久しぶりで、血液浄化部の守矢です。
2ヶ月ほどブログの更新ができずに済みませんでした。
早くブログを書かなければと思っていましたが、気付けばあっという間に2014年もあと10日となってしまいました、、、
今回は12月20日に行われました忘年会の報告です。
今までは「透析室」、「13階病棟」など、各セクションで行われていましたが、2013年4月より「腎臓病総合医療センター」が立ち上がり、今年は正式にこの腎センター主催の忘年会となりました。
場所は横浜みなとみらいのぷかり桟橋からの「屋形船」。
参加者は、13階と15階の看護師、透析室の看護師に加え、臨床工学技師、管理栄養士、理学療法士、医療相談員、医療事務と多くのチームメンバーが参加し、そして我ら腎臓病総合医療センターの医師(腎免疫血管内科、血液浄化部、腎移植外科、泌尿器科)と、総勢57名の大所帯となりました。
当日乗船した屋形船
半年前から小林修三先生自らが日程を決め、企画していたのですが、当日はなんと「大雨」。
天候ばかりはさすがに準備できませんでしたが、持田先生の「名司会」と、参加していただいた皆様の御協力により、楽しく盛会に終わりました。
お開きの時の全体写真。一番前で寝転がっているのが、司会の持田です。
さて皆さん。腎センター長の小林先生を見つけられますか?
2時間半の周遊の後は、雨もすっかりあがり、ほろ酔い気分で桟橋を歩いて帰りました。
来年もまた、大勢で忘年会を楽しめるよう、次の幹事の方、是非宜しくお願いします!!
血液浄化部
守矢 英和
<Vol.46>【10/15 SLEの公開講座リニューアル】
10/15(水)公開医学講座
公開医学講座のため、戸塚公会堂まで行って参りました。
『全国に4万人?~SLEという病気~』というタイトルで、全身性エリテマトーデス(SLE; Systemic lupus nephritis)についてのお話をしました。
公開講座のパンフレット
SLEは、数ある膠原病のなかでも代表的な疾患で、公費対象の病気でもあります。
日本では5万人以上の患者さんがいるとも言われています。
関節リウマチ、強皮症、皮膚筋炎など、標的となる臓器がわりと限られている病気と異なり、その名の通り全身のいろいろな臓器が標的となりうる病気で、つかみどころがなく分かりにくいかもしれません。
SLEは蝶形紅斑など皮膚の異常が出現することから、古く19世紀には皮膚科医がこの症状に注目していたようです。
20世紀初頭には、内科医であるWilliam Oslerが、「多臓器が冒される滲出性紅斑である」、「SLEは内科学の真髄である」と言っています。
その後、Libman Sacksが心内膜炎、日光過敏症がSLEの特有の症状であることを発見し、病理医であるPaul Klempererらがフィブリノイド変性を持つ疾患を膠原病と命名し、その代表としてSLEを位置づけています。
1948年になると、Hargraves はSLE患者の骨髄からLE細胞(リンパ球の核を貪食する多形核白血球)を発見し、SLEに特有なものであると報告しました。
そして現在、SLEのメカニズムについてまだよく分かっていないところもありますが、B細胞が関係していると言われています。
最近では複数の薬を組み合わせて使用するマルチターゲット治療の有効性が報告されています。
さまざまな症状が出現する可能性がありますが、症状、病状も人により大きく異なることから、一言でこの病気を説明するのは難しく、この公開講座を通じて少しでもこのSLEという病気への理解が深まれば、と思っています。
血液浄化部
岡 真知子
<Vol.45>【第25回 日本急性血液浄化学会学術集会に参加して】腎免疫血管内科
今年の急性血液浄化学会は千葉大学の織田成人先生が大会長で、千葉市の京成ホテルミラマーレで10月10日、11日に開催されました。
秋晴れの10月10日の朝、大船から乗り換えなくひたすら電車に揺られて1時間40分ほどで千葉に着きました。
神奈川から東京を経て千葉へ。なんだか遠足に行くような気分(すみません!)。
いったい何本の川をわたって行くのだろうか?大きな川だけでも、鶴見川・多摩川・隅田川・荒川・中川・江戸川・花見川をわたって千葉にたどり着きました。
途中、左側の車窓に東京スカイツリーがとても大きく見えて、まだ近くに行ったことのなかった私は一人、高いなあ~と感動していました。
早稲田大学名誉教授酒井清孝先生よりこの写真をいただきました。
さて、学会は織田成人先生の会長講演からスタートしました。
今回の大会のテーマは今までの25年の急性血液浄化の歴史を振り返り、新たに次のstepへ向かって進んでいこう!ということだと、勝手に解釈しました。
当院からの発表は石岡先生がアフェレシスを行って症状が改善した症例の報告をしました。
いつもながら石岡先生はきれいにスライドを作り、上手に発表されていました。
発表後質疑応答中の石岡邦啓先生
10日午前中にはBest Presentation Awardの候補の先生方のプレゼンテーションがありました。
全部で13演題が採択されており、8演題が医師から、5演題がclinical engineerあるいは工科大学の先生の演題でした。
そのノミネートされた中で、2人の先生が湘南鎌倉総合病院腎免疫血管内科で後期研修を行った一色 玲 先生と岩上 将夫 先生でした。
このブログをずっと昔にさかのぼっていただくと二人の書いてくれた文章や写真があります。
その同級生のお二人がそろってノミネートされており、プレゼンテーションを聞くと、本当に二人とも堂々と楽しそうにご自分のデータを発表されていました。
同日の夕方にBest Presentation Awardの発表があり、なんと一色玲先生が受賞されました。
“玲ちゃん、おめでとう!!”
彼らの努力でもちろん受賞されたのでしょうが、彼らが大きくなる部分に多少なりとも湘南鎌倉総合病院 腎免疫血管内科で、もまれて過ごした研修の日々が役にたったのではないでしょうか。
でも、鎌倉を巣立った人たちだけがノミネートされているのではだめですね。
私達もやらなければ!と強く思った次第です。
左から一色先生、石岡先生、岩上先生
急性血液浄化はICUでよく行われるわけですが、麻酔科医を中心にしたintensivistと腎臓内科医nephrologistがともに関与する領域です。
同じ医師でも育ってきた環境が違うので、違う目で一人の患者さんを診ることができると思います。
そして看護師・clinical engineer・栄養士・理学療法士・薬剤師・医療クラークとのチーム医療が非常に重要な領域です。
重症敗血症に対するサイトカインを吸着するヘモフィルターも保険収載となり、腎臓が悪くなくても使うことができるようになり、また新たな tool を私たちは得ることができました。次のstepへ進化できるよう切磋琢磨していきましょう!
腎免疫血管内科
日高 寿美
<Vol.44> 【9/26-10/3 沖永良部島応援 〜まだ蝉の鳴き声が〜】
9月の末から8日間、沖永良部島にある沖永良部徳洲会病院に応援に行って参りました。
沖永良部島は鹿児島県の奄美群島の南西部にある人口1万3000人の島で、鹿児島本土から約540km、沖縄本島から約60kmに位置し、沖永良部島から鹿児島までは飛行機で1時間25分を要します(ちなみに羽田~鹿児島間は1時間40分)。
鹿児島~沖永良部間はプロペラ機が運航し、空港に到着後は徒歩で空港ターミナルに移動します。
同院は一般62、医療療養49、介護療養21の計132床の病床を、透析室には12床の病床を持ち、島唯一の総合病院として島の医療を支えています。常勤は佐藤院長先生、小児科・産婦人科各1名で、他に内科・外科応援医師各1名、初期・後期研修医師各1名で診療業務を行っております。
外壁は塗装で改修されていますが、内部は築24年の為か傷みが随所に見受けられました。
応援業務内容は午前午後の一般内科外来診察・当直に加え、入院診療を初期研修・後期研修の先生方と一緒に携わります。肺炎、COPD、尿路感染症、脱水等による入院が多くを占めますが、高Na血症、低Na血症、低K血症、高Ca血症等の電解質異常や、慢性腎不全増悪等の腎疾患も見受けられ、研修の先生と共に診断・治療を行いました。
観光スポットの一つ、屋子母(やこも)海岸。白い砂浜と沖合のリーフの間にはサンゴ礁が広がります
天気良ければ水平線の向こうに与論島や沖縄本島の島々を見ることができるとのことです。
同院は当院とは医療設備や医療スタッフの医療資源が全く異なる故、実際に行う医療は異なりますが、疾患へのアプローチや患者さんに向き合う姿勢はいつでもどこでも同じであることに改めて気づかされました。
3F病棟からの風景。10月でも蝉の鳴き声が響きます。
腎免疫血管内科
石岡 邦啓
<Vol.43> 【9/9 SK腎セミナー お題はサムスカ】
お久しぶりです。血液浄化部の守矢英和です。
すっかり秋めいた時期となりましたが、さる9月9日に恒例のSK腎セミナーが開催されました。
今回のテーマはずばり「サムスカ」。
長年、利尿剤と言えばループ利尿薬のラシックスやサイアザイド系利尿薬のフルイトランなどが用いられていましたが、日本発の新しい作用機序による水利尿薬が誕生し、臨床においてもさまざまな分野で用いられています。
そこで今回は、肝臓・循環器・腎臓領域からそれぞれ発表をいただき、学際的な内容を意図してプログラムが組まれました。
最初は、当院の消化器病センターの魚嶋先生が、肝性浮腫・腹水について概説し、次は済生会横浜市東部病院の循環器内科より滝村先生を招聘し、循環器領域におけるサムスカの立ち位置についてご講演いただき、最後は当院腎免疫血管内科主任部長の大竹先生より、腎臓を中心とした体液管理についての基礎的な知見についてreviewされました。
サムスカは最近、多発性嚢胞腎に対する嚢胞進展抑制効果についても保険適応が拡大され、今後多くのデータ集積されてくる薬剤だと思います。
セミナーの終了後は場所を移して懇親会が行われ、subspecialityの枠を超え、さまざまな意見が交換されましたが、自分の専門とする科以外の科の先生方と話すことは、非常に参考になることが多く、沢山の刺激を受けました。
次のSK腎セミナーは11月25日に、腎疾患とリハビリをテーマに開催される予定です。
是非、興味ある医療従事者は参加してください。近々ホームページ上に案内が掲示されます。
最後に雑感!
もう今年もあと3ヶ月となりました。
書店には来年の手帳が店頭にならび、私たちの科の忘年会の日程もすでに決まっており、今年も消化不良のまま1年が過ぎてゆきそうで、歳はとりたくないなーと思う今日この頃です。
血液浄化部
守矢 英和
<Vol.42>【9/6,9/7日本腹膜透析学会で発表】
皆さんこんにちは! はじめまして。
栄養管理センターの古旗省吾と申します。
9月6日、7日に山形国際ホテルにて第20回 日本腹膜透析医学会 学術集会・総会が開催されました。
当院からは大竹先生、守矢先生、看護師の前野さん、松井さん、管理栄養士の尾田さん、そして私古旗が参加しました。
私は「高リン血症のPD患者に対してビールの銘柄に関する具体的な栄養指導により血清リン血症に改善がみられた一例」と題して発表しました。
リン制限をする際、肉の加工食品や乳製品に注意がいきがちですが、嗜好飲料に含まれるリンも見落としてはならないというような内容です。
学会発表はほぼ初めてだったので緊張しましたが、あまり萎縮せずにやれたとは思います。
この仕事をしている以上はこういう場で発表する機会も多いと思うので、場数をこなして早く慣れたいと思います。
大竹先生、守矢先生をはじめ、発表するにあたり指導していただいた方々に感謝し、日々の業務や次の機会に向けて頑張りたいと思います。
上の写真は発表前夜の6日に、先生方に食事に誘っていただいた時に撮ったものです。
一番左が私です。お腹が痛いわけではなくネクタイを押さえているだけです(笑)。
もう一枚は実家で飼っている猫、くうちゃん(♂)です。
まだ二ヶ月でやんちゃです。
学会の翌週実家に帰り、癒やされてきました。
今後ともよろしくお願いします。
栄養管理センター
古旗 省吾
<Vol.41>【8/30腹膜透析患者会と9/1研究会の報告】
8月30日、当院の腹膜透析患者さんの患者会が行われました。患者さん18名、ご家族5名、バクスター社の岸村さん、テルモ社の窪田さんが参加されました。
夏の患者会では学習会を行っており、リクエストがあった透析の合併症についてのお話をしました。数年前に講義の依頼があったのも透析合併症についてでした。患者さんの合併症に対する関心の高さが伺えます。
また今回の患者会では、患者さんそれぞれがご自分の腹膜透析導入から現在までの治療内容などを紹介する場面がありました。治療内容や治療の経緯など、他の人がどうしているのか気になるところです。ただ、治療や経緯は多様ですので、少人数よりも多くの人の経験を聞くほうが断然いいのは明らかです。こういう観点からも患者会に参加する意義は大きいと思います。より多くの患者さんの、患者会へ参加を期待しています。
9月1日の夜には、ホスレノール発売5周年記念講演会が横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで行われました。座長は善仁会グループ 神奈川腎部門診療部長 外山勝英先生です。私は「透析患者おけるアシドーシスと石灰化」についてお話させていただきました。特別講演は副院長 小林修三先生の「透析患者における心血管障害と石灰化」で印象的なものでした。
心血管障害にしても、石灰化にしても、多くの因子が関与しており複雑です。まだ分かっていない部分もありますが、要因、そのメカニズムが解明されつつあり、それと共に治療や治療目標値などの変遷が見られます。10年前に当たり前であった治療が今では逆に、ありえない、などということもあります。いろいろと考えさせられる興味深い講演会でした。
会場となった横浜ベイシェラトンホテル
血液浄化部
岡 真知子
<Vol.40>【第4回腎移植症例カンファレンス参加】
8月28日、都内新宿にて第4回首都圏腎移植症例カンファレスが開催され、当院からは6名の腎臓病総合医療センターの医師が参加しました。
今回のカンファレンスでは、腎移植の中でもドナーについて焦点が当てられ、東海大学の滝口先生と今年3月まで当院に在籍した、聖路加国際病院の長谷川先生がそれぞれ症例を発表されました。いずれの症例も医学的に内容が濃く、特に長谷川先生が発表された演題は社会的・倫理的な問題点にまで及ぶ深い議論が予定時間を延長してなされました。
各演題発表後には、聖路加国際病院の廣瀬先生、東海大学の中村先生からそれぞれの演題についてわかりやすい講義及び解説がなされ、さらなる理解を深めることができました。
最後に、特別講演として聖マリアンナ医科大学の柴垣先生より「内科医としての腎移植ドナーのマネジメント」と題して御講演を賜りました。
生体腎移植ドナーの適応と移植後の管理を含めた指針として、国際移植学会からはアムステルダムフォーラムレポート(2005年)が国際標準として定着しております。日本においては、今年6月に日本移植学会と日本臨床腎移植学会から「生体腎移植ドナーガイドライン」が発表されました。日本人の特性を考慮した「基本の適応基準」と、この基本基準に合致しない場合に使う「Marginal donor基準」が示されております。
当院での生体腎移植手術の風景
今回の研究会では、ドナーの長期にわたる心身の安全性を中心とした腎移植について勉強させて頂き、研究会開催に関係された先生方には深く感謝申し上げます。今後も日々の診療に還元し頑張って参ります。
腎免疫血管内科
石岡 邦啓
<Vol.39>【湘南ADPKDセミナー開催! 私の過去、現在、そして未来へ】
みなさま、こんにちは(こんばんは?)
4月から守矢英和先生と交代で腎免疫血管内科の所属となった日高寿美です。よろしくお願いします。
今日は8月19日に鎌倉パークホテルで行われた、湘南ADPKDセミナーについてお知らせいたします。
8月19日は火曜日で江の島の花火大会の日でしたが、近隣の先生方や院内の先生方、薬剤師さん、看護師さんなどたくさんの方のご参加を頂きました。
ADPKDと書きましたが、これは多発性嚢胞(のうほう)腎(autosomal dominant polycystic kidney disease: ADPKD)の略になります。
これは、多くは遺伝でおこる病気で、両側の腎臓にたくさんの嚢胞ができてしまい、腎臓が腫大し腎機能が徐々に低下する病気です。
肝臓に嚢胞ができることもよくあります。遺伝性の病気の中では頻度が高く、透析導入となる原因としては4番目に毎年ランクされている病気です。
大きくなった腎臓 嚢胞がたくさんみられる
ADPKDをきたす遺伝子の解析が1990年代になされ、それを契機に各国で様々な研究が行われ、治療薬の開発がなされてきています。
今年の春からADPKDの患者さまに“サムスカ(一般名 トルバプタン)”という薬が承認され、世界に先駆けて私たちは使うことができるようになりました。
そこで、私は5月より“のうほう腎外来“を立ち上げて外来診療を開始いたしました。
近隣の多くの先生方にこの外来を知っていただきたい、そしてあらためてADPKDのことを整理し勉強したい、という思いで、大塚製薬株式会社様のご協力のもと湘南ADPKDセミナーが開催されました。
開会のご挨拶を、鎌倉市でご開業されている章平クリニック院長 湯浅 章平 先生にお願いし、一般講演を私、特別講演を順天堂大学泌尿器外科学教授の堀江 重郎 先生、座長を当院泌尿器科部長の三浦 一郎 先生、そして副院長 小林 修三 先生にお願いいたしました。
私がADPKDを研究するきっかけは、ドイツのハイデルベルク大学 解剖・細胞生物学研究所に1999年から留学したときになります。
日本では電顕を使ったり免疫組織学的な実験しか経験がなく、たんぱく尿がどうしてでるのか、腎障害の発症や進展の機序は?などが最大の関心事でした。
しかし、ハイデルベルクに行ってからはグループのボス Ralph Witzgall先生に嚢胞腎の遺伝子を使った研究をするように言われたのです。
それからは、大腸菌と友達になり、いろいろな分子生物学的な実験をするようになりました。
ある程度の結果がでて、2000年のアメリカ腎臓学会でポスター発表することができました。
その時に堀江先生と知り合いになり、日本へ帰国してからも、ADPKDだけでなく、泌尿器科的疾患に関してもご相談するようになりました。
そして、今回この鎌倉へおこしいただき特別講演をしてくださりました。
堀江先生のお話は、ADPKDの鍵となる分子であるcyclic AMPの話から、トルバプタンがADPKDにはたらく機序など明快にお話してくださいました。
座長の小林修三先生
今回、湘南ADPKDセミナーでお話させていただくにあたり、しばしの間、自分のたどってきた道を振り返ってみました。
今、湘南鎌倉総合病院で勤務させていただいているのは、いえ、そもそも腎臓内科医を選んだのは、私が研修医1年生だったときに腎臓のミクロの世界の美しさを電子顕微鏡で見せてくださった小林先生のおかげです。
そしてたまたまドイツで基礎の面でかかわっていたADPKDのおかげで堀江先生と知り合いになることができ、新しい薬の登場により臨床の立場からまたADPKDと密接にかかわるようになりました。
腎炎の研究をしたいと思ってハイデルベルクへ行ったのに、まったく違う世界で、最初は少し後悔をしたような気もしますが、今となってはそれもよかった、と素直に思えます。
そして何よりも、人生において、人と人のつながりって不思議で、大事で、面白いなあ、とあらためて思いました。
さあ、振り返るのは終わりにして、また前を向いてすすんでいきましょう!
腎免疫血管内科
日高 寿美
<Vol.38>【Critical Nephrologyとは? ECU/ICUにて】
今年の夏はやはり暑い。
先日の釣りで、開始1分で酔って寝ていたら、ひどく変な焼け方をしてしまった持田です。
(以前の記事にもありますが、船にはめっぽう弱く、いつも開始5分ほどで打ちのめされています。
それでも乗っているのは・・・・・・)
乗船する前はまだ元気でしたが。。。
現在私は腎免疫血管内科ではなく、集中治療部で働いております。そこで集中治療部について紹介をします。
当院に昨年10月から集中治療部ができました。
集中治療部には一般的に、open ICU というICU専属ドクターと各専門ドクターが協力して治療していく形と, closed ICUというICU専属ドクターのみで治療していく形があります。
当院での集中治療部はopen ICUの形で機能しており、Emergency care Unit (ECU)とIntensive care Unit (ICU)の2つの部署に分けられております。
ECUはERからの重症患者を担当しており、当院に救命センターがあり救急患者がとても多いためフル稼働しております。
またICUでは術後の患者・重篤な入院中の患者を主に担当しており、外科・心臓外科の手術件数が多いためとても充実した部門となっています。
現在、集中治療医として部長の野村先生、医長の持田、飯塚先生の3人と各専門担当医と協力し日々診療・治療にあたっています。
週に1回、自治医大埼玉医療センターの讃井先生を招き、回診や教育、そして抄読会を行っており、学会に積極的に参加し、教育面も充実してきております。
私は昨年9月まで腎免疫血管内科に所属しており、腎臓・透析に関して主に診療してきましたので、外科の術後管理にはまだまだ勉強させていただいていますが、内科管理、術後の透析患者への対応、そして多臓器不全における特殊血液浄化(PMXやCHDF、そして血漿交換など)の治療を得意としております。
集中治療部には腎臓内科医がいない所も多くあるようですが、常時私がいますので上記の患者に早期に対応し、チームとしてスムーズに診療ができるように努めています。
集中治療部として発足したばかりであり、まだまだ足りないところがありますが、日々改善をして患者様によりよい治療を提供したいと考えています。
休憩中に写真に協力してくれた素敵な仲間たちです。真ん中にいるのが私です。
集中治療部
持田 泰寛
<Vol.37>【再生医療と趣味の釣り~良く学び、良く遊べ】
しばらくぶりにブログを書きます。
今年はとにかく暑いですね。実に暑い。日本も年々暑くなっていく感じで、この暑さは透析支援で以前訪れたアフリカのモザンビークやザンビアの暑さを思い出させます。エアコンが故障してしまった我が家では、この暑さで「毎晩我慢大会」です。熱中症が怖いから、早く涼しくならないかな?
さて、仕事のことを少し。
「再生医療」という言葉を初めて聞いてからずいぶん経ちますが、実際に多くの病気で再生治療が行われるようになってきています。再生医療のもととなる細胞は、iPS細胞やES細胞、骨髄間葉系幹細胞、脂肪由来幹細胞や末梢血中の造血系幹細胞などで、これらを使って障害臓器を修復再生しようとするのが再生医療です。現状では他人の細胞を移植した場合には拒絶反応など重大な問題が生じうるので、自分の体の中にある幹細胞を取り出して(あるいは増幅やiPS化して)使う方法が考えられています。
僕は腎臓内科医なので、痛んだ腎臓を何とか修復する手段はないか?と考えますが、複雑な仕組みをもった腎臓を再生修復するのはとても難しいことです。
再生の方法としては 臓器そのものを丸々作り出してしまう方法と、障害臓器の組織や機能の一部を再生する方法の2つがありますが、何らかの細胞で障害された機能の一部でも回復できれば、腎不全患者さんのための診療に大きく役立つでしょう。昨年から東京の大学の研究室に出向いて、腎障害に対する再生医療の研究に携わるようになりました。研究は遅々として思うように進んでいませんが、微力でも腎不全診療に役立つように研究を進めていきたく思います。
最近、巷ではSTAP細胞が大きな話題になっています。発想はとてもユニークで、STAPはたしかに夢の細胞と思いますが、再現性に乏しく基本的に科学として成り立っていないように思います。一発勝負でできるかできないかでは困ります。研究を特許や出世の手段としているようでは正しい研究はなされません。科学者はもっと慎重で謙虚で崇高であるべきですね。
話は変わりますが、僕の趣味は魚釣り(海)です。みる事のできない海中を一心に思って糸を垂らす。何と至福の時間か。でも職業柄忙しくてなかなか釣りにいけません。特に春と秋は絶好の釣りシーズンですが、その時期に限って毎週のように学会や研究会があって、休みもろくにとれません。
そこで趣味と実益(?)、親睦を兼ねて、私たち腎臓内科では「夏の釣り&バーベキュー大会」を毎年行うようにしました。今年で何回目になるかな?今年は8月3日の日曜日(快晴)、小坪から朝7時にキス狙いで鮎丸で出船。出走馬は、小林先生、日高先生、守矢先生、徳本先生、宮本先生(稲城から出走)、持田先生、松浦先生、吉田先生、田村先生、阿部さん、僕と僕の長女(ひかり21歳)。釣り好きなMRさんも乗り込んで意気揚々と出船しましたが、わずかなうねりで日高、宮本、持田、松浦、吉田の各馬はポイントにつくまでのわずか10分で落馬ならぬ船酔いでダウン。船上は船酔いのマグロ状態と化しました。酔わずに最後まで釣りを楽しんだのは小林先生、徳本先生、阿部さん、岸村さん、僕と娘でした。獲物は少なかったけど、久しぶりの潮風がとても気持ちよかった。
船上で長女と
下船後はBBQ。守矢ファミリー、三宅ファミリー、真栄里ファミリー、石岡先生、岡先生、吉田先生のご婚約者の塚野唯さんも集まって楽しく過ごしました。僕は陸地にあがってからマグロ状態になって寝てしまいました。
よく学んだらよく遊ぶ。いいことですね。石岡先生、企画準備から当日運営まで本当にお疲れさまでした。また来年もよろしくお願いします。
腎免疫血管内科
大竹 剛靖
<Vol.36>【長期透析患者のCPC】
当院では定期的にCPC(Clinicopathological conference)が行われています。
7月29日には「多彩な心血管合併症を呈した長期透析患者の一例」と題したCPCが開催されました。
臨床経過を初期研修医の鈴木先生、病理結果を黒田先生が発表し、また病理医の手島先生からコメントがありました。全身の異所性石灰化、アミロイド沈着の状況、治療経過などについて細部にわたりディスカッションが行われました。
長期透析に伴う合併症である異所性石灰化や透析アミロイド―シスの予防、あるいは軽減させることの重要性を改めて感じさせられました。
鈴木先生と黒田先生のプレゼンテーション
今でこそ日本の透析患者数は30万人を超えていますが、実は透析の歴史は短く、日本で血液透析が健康保険の適用となったのは1967年です。
統計によると1968年の透析患者数はたった215名でした(信じがたいです)。
患者さんが血液透析を始めた1970年代はまだまだ透析が珍しい治療であったようです。
約50年と透析の歴史は長くはありませんが、治療内容は大きく進歩しています。
合併症に対する対策も以前に比し強化されてきました。
透析アミロイド―シスに深く関係していると言われるβ2MGや炎症性サイトカインを除去するには、ハイパフォーマンス膜を用いた透析、off-lineやon-line HDF、β2MG吸着カラムを用いた吸着療法などの方法があります。
また、透析液の清浄化も重要視されています。
このように、今後は血液透析の合併症が軽減されることが予想されますが、もちろん完璧ではありません。
貴重なCPCの結果を医療にフィードバックし、更なる予後改善を目指すことが我々の責務だと思いました。
血液浄化部
岡 真知子
<Vol.35> 【やってきました。毎年恒例の釣り・BBQ!】
暦の上では立秋ですが、厳しい暑さが続いております。
残暑お見舞い申し上げます。
先日某所にて当科(昨年からは当センター)の毎年の恒例行事である納涼会が開催されました。
今年は昨年と同じく相模湾を漁場に、2年ぶりの鱚(キス)釣りに挑戦して参りました。
朝6時30分に現地に集合、小林先生から餌のつけ方等の講義を賜り、7時に出船となりました。
お天気にも恵まれ順調な船出となり、漁場のポイントに到着後すぐに開始となりました。
風が強かった影響もあり、釣果は予想より少ないものの、皆それぞれ釣りを楽しんでおりました。
但、日頃の疲れがたまっているせいか、船酔いをするスタッフが続出し、中には釣りを全くせずひたすら休んでいる者もいたようです。
小林先生による餌のつけ方の講義
日焼け対策万全過ぎて誰だかわからない? 田村先生
さすがです!
鎌倉のダルビッシュこと宮本先生も参加。しかし釣れたのは。。。
帰港後は、バーベキュー。
真栄里先生、三宅先生、増田さん、宮本先生奥様はお子様を連れての参加となり、会場は子供達のはしゃぐ声で例年以上に大変にぎやかになりました。釣ったキスを天ぷらにし、美味しく頂きながら親睦を深めました。
当科は「よく学び、よく遊ぶ」ことをモットーの一つにしておりますが、今回の納涼会(遊び)を通じて皆各々学んだこと(気づいたこと、教えられたこと)があったようです。
これらを今後の糧として、これからも日々診療業務に頑張って参ります。
腎免疫血管内科
石岡 邦啓
<Vol.34>【アフリカ トーゴ共和国透析支援報告】
臨床工学技士の藤川です。今年の3月23日から4月4日にかけて守矢先生、血液浄化センター看護師の塩野さん、そして私の3人でアフリカのトーゴ共和国にあるロメ(トーゴ共和国首都)中央大学病院透析センターへ寄贈したニプロ社製透析装置の使用方法を含めた業務支援に行ってきました。
だいぶ遅れましたが、今回はその報告をしたいと思います。
トーゴ東端(病院はトーゴの西端)の、とあるレストランにて
(写真左から2番目がDr.Sabi 右端が私です)
まずトーゴという国についてですが西アフリカに位置し、東にベナン、西にガーナと国境を接しています。人口は約600万人、首都はロメ、面積は5万7千k㎡で日本の7分の1程しかない小さな国です。(ちなみに日本との時差は-9時間です。)
透析センターの患者登録数は78人で、徳洲会より寄贈されたニプロ社製透析装置11台を使用し、1回4~5時間の透析治療を1日3回行っていました。
アフリカでは珍しく、ここトーゴでは約30年も前から透析を行っており、治療にあたるスタッフは皆慣れ、とても清潔に透析医療が行われていました。
また透析室は今回新しく増設されたもので、室内には大型のエアコンが設備されていました。外気温は30℃近くあり蒸し暑いですが、室内はとても快適でまるで日本で透析をしているかの様でした。
中央大学内にある透析センター
透析センター内治療風景
しかし透析センターから一歩外に出ると敷地内の至る所に大きなトカゲがおり、やはりアフリカに来た事を実感させられます。
病院敷地内にて
今回私にとって初めての海外がアフリカということで、行く前は不安しかありませんでしたが一緒に同行した守矢先生や看護師の塩野さんに助けられ、何とか無事に業務を終えることができました。
また今回臨床工学技士の立場から機械の細かい設定などを指導してきましたが、その中で最も苦労した点は言葉でした。トーゴの公用語はフランス語でしたが、英語を話せるスタッフが何名かいたためやり取りは全て英語でした。私自身英語は得意ではないのであらためてその必要性を痛感しました。(私の拙い英語を一生懸命に聞いてくれたことには感謝の気持ちでいっぱいです!)
透析センタースタッフ
現地のスタッフは皆明るく、勉強熱心でこちらが教えられることが多かったトーゴ共和国透析支援でした。
今後、透析機械のメンテナンス等でもう一度訪れるチャンスがあれば是非また訪問したいと思っています。その時までに少しでも英語が上達するよう現在勉強中です。
臨床工学技士
藤川 大吾
追加のコメントです。
トーゴには約670名の医師が勤務しているようですが、その中で腎臓内科を専門とする医師は3名のみということでした。
透析患者は毎回透析回路を約6ドルで自費購入するだけで透析を受けることができますが、年間所得から考えると6ドルでも高額なのが実情のようです。透析患者は若い人しかいないのかなと思いましたが、20歳から77歳まで比較的高齢者も透析を受けており、中には透析歴12年の方もおられました。
一方で、新聞やTVなどのマスコミを利用して一般市民に事前に宣伝を行い、3月27日に「腎臓day」と称して透析センターで体重、血圧や血糖、尿蛋白などを無料で測定するイベントを行っていました。参加者は837人!!にもなり、朝早く行列に並んだのに、すべて検査を終って問診を受けて帰ったのが夕方の5時ころになる人もいましたが、みな時間など気にせず、気長に並んでおしゃべりしながら待っている姿は、何かほのぼのとした風景にも見えました。Dr.Sabiは孤軍奮闘で参加者へ生活指導をしていましたが、このような献身的な医師がいれば、この国の未来は明るいなと感じた次第です。
日本の腎臓内科医も頑張らないと!!
血液浄化部
守矢 英和
<Vol.33>【暑気払いの食事会】
暦の上では最も暑い「大暑」が過ぎ、暑い日が続いております。
この度久しぶりの勉強会+食事会が開催されました。
暑気払いだけとなったのはもちろん、お互いのコミュニケ―ションを図る良い機会となりました。
これからもますます暑い猛暑が続きますが、
当科スタッフ一同暑さに負けず日々診療業務に勤しんで参ります。
今後ともよろしくお願いします。
食事後のひととき
腎免疫血管内科
石岡 邦啓
<Vol.32>【EDTA、腎と心血管障害研究会参加報告】
ご無沙汰しております。
4月より血液浄化部に異動となりましたので、引き続き宜しくお願いします。
さて、少し前の事になりますが、5月31日~6月3日の間、オランダのアムステルダムで開催された欧州腎臓学会(EDTA)に参加して参りました。
EDTAは毎年ヨーロッパで開催される学会で、米国腎臓学会(ASN)と双極をなす国際的な腎臓学会です。
その他に国際腎臓学会(ISN)が2年に1回開催されるのですが、2003年にドイツのベルリンでEDTAとISNがjointで開催された時に参加して以来、実に10年以上経っての久しぶりのEDTA参加となりました。
学会会場前(アムステルダム国際会議場)
今回は透析患者の高血圧に対して直接レニン阻害剤であるアリスキレンを投与した効果をポスター発表し、AKI(急性腎障害)のplenary sessionや高血圧に関するlectureなどを聞いてきました。
また、最近話題になっているmicroRNAの腎臓領域での話題もあり、AKIの予後に関連したりCKD(慢性腎臓病)の治療のtargetになり得るとの話もあり、時差ボケと闘いながら聞いて参りました。
折角の海外での学会ということで、学会の合間を縫って??アムステルダムを散策してきました。
街には比較的歩ける範囲内に見どころが多くあり、また少し足を延ばせばゴッホ美術館や国立美術館などの文化施設も多く点在しています。
街中では、どこのヨーロッパの国々でも同じでしょうが自転車に乗って移動する人々を多く見かけ、自転車専用レーンがあるのですが、ぼーっとしていると轢かれそうになります。
夜には、この時期の美味しいアスパラガスを食した後、ホテルまでの散策は、かの有名な「飾り窓」です。
赤色のネオンに額縁されたshopping windowの中では、客引きの女性が魅力的に誘惑してきますが、店は決して暗い路地裏ではなく、写真のとおり運河の両側にある開けた道沿いに幾つも存在して「観光地」と化しており、「国が違えば文化も違うなあ」と社会勉強もして参りました。
ちなみに、当然「観光」だけしかしておりません。
「飾り窓」地区の運河と街並み。赤いネオンの店は、、、
話しは打って変わって、7月20日に東京駅に隣接するJPタワーを会場として、「腎と心血管障害研究会」が開催されました。
この研究会は当院の小林修三先生が発起人となって始まった会で、今となってはCKDや心腎連関といった概念が普及してきましたが、発足当時は腎臓内科、循環器科、心臓血管外科といった異なる分野の専門科が一同に会してディスカッションをするという会が無く、時代を先駆けた研究会でした。
今回は第11回目(11年目)となる会でしたが、冠動脈ステントや心臓弁膜症手術の話、トルバプタンや尿中アルブミンの話など、興味ある話題提供に対して熱心な質疑応答があり(なんと発表20分に対して質疑応答20分!!)、またGuest Speakerに大阪大学心臓血管外科の澤芳樹先生をお招きして、心臓血管外科手術から再生治療に至るまでの幅広い講演をしていただき、大変勉強になりました。
例年、いつもこの「腎と心血管障害研究会」が終わると、春からの一連の学会・研究会がひと段落ついてホッとするのですが、院内には山ほど沢山の仕事が残っており、すでに夏休みに入った我が家の子供たちが羨ましい限りです、、、、
血液浄化部
守矢 英和
<Vo.31>【研修医2年目ローテート中! 松本です】
湘南鎌倉総合病院研修医2年目の松本陽介と申します!
7月は吉田先生、大竹先生のご指導のもと腎臓内科をローテーションさせて頂いております。実は一般外科を志望している僕がなぜ「the内科」と言われるような腎臓内科をローテーションしているかというと、どんな人も診ることができる、内科的管理もできる外科医になりたいからです!世の中には透析患者さんが非常に多く、他の診療科をローテーションしている際も多くの透析患者さんがいらっしゃいました。透析患者さんを受け持つたびに「透析患者さんはよくわからない」という苦手意識が先行してしまい、受け身な診療になっていたと思います。そんな苦手意識を払拭するために選択させていただきました。
小林先生は言いました。
「腎臓内科は腎臓を中心に全身を診る総合内科だ」と
腎臓が悪い患者さんは全身に様々なproblemをもっている方が多く、実際に回らせて頂いて、担当する患者さんのproblemの複雑さに毎日驚いております。これは本当に腎臓だけではなく全身を診る力がないと診療が成り立たないと実感しました。
毎日僕にマンツーマンで指導して頂いている吉田先生は、内科全般の知識が豊富で基本的な内科的な管理から透析のことまで本当にためになることを毎日教えてくださいます。さらにその上の指導医として大竹先生がいらっしゃり、実際の診療に関することのみならずなぜこうなるのかという理由まで突き詰めて指導していただけます。
透析から内科全般の知識を深めるという意味でも本当に勉強になっています!
残り時間は少ないですがなるべく吉田先生をストーキングしてより多くの知識を吸収していきたいと思います!
血液透析を勉強中?の松本先生
湘南鎌倉総合病院 研修医2年目
松本 陽介
<Vo.30>【研究会報告と自己紹介! 吉田です】
7月15日にCKD/DMサマーセミナーが開催されました。
当日は岡山県立大学の福島先生、聖マリアンナ医科大学の柴垣先生に特別講演を頂きましたが、どちらのご講演も非常に勉強になる内容でした。福島先生からは糖尿病のOverviewから日本人の糖尿病の特徴、果ては先生が開発されたデバイスまでご教授頂き、柴垣先生からは慢性腎臓病の患者さんを診療するにあたり日々直面する電解質異常に関して最新の知見・歴史的考察も含めてご教授頂きました。
CKD&DMサマーセミナー後の懇親会にて(写真中央が柴垣先生、その右が私です)
会場は盛況で当院からも腎免疫血管内科の医師以外にも管理栄養士さん、薬剤師さん、内科後期研修医・初期研修医と様々な立場の参加者が集まっていました。
さて。自己紹介が遅れましたが私は吉田輝彦と申します。この4月から当科の一員として日々より良い腎臓内科診療を目指しております。
つい固い文章になってしまいますが、私がここ湘南鎌倉の腎臓内科に来た理由は神奈川県出身だからでも海が近いからでもなく、こんなにActiveな腎臓内科診療をしている病院はなかなかないと感じたからです。自分の知力・体力を総動員して患者さんの健康に寄与したいと思っています。
知力は皆様の評価にお任せするとして、体力は少年野球から大学野球までで培った体力で当直明けでも動きが衰えず、長時間通勤にも耐え忍んでおります。右肘を中学1年生で早々に故障し、20歳まで使えなかった(左投げだった)のはNY○ンキース田中選手が現在陥っている状態と同じ故障と考えています。変化球(特にスプリット)の多投には気をつけましょう。
では、次は私と一緒に馬車馬のように働いてくれている松本先生に書いて頂こうと思います。宜しくお願いします。
腎免疫血管内科
吉田 輝彦
<Vo.29>【第13回SK腎セミナー ~テーマは腎移植~】
7月8日に第13回SK腎セミナーが開催されました。
今回は腎移植をテーマとして構成が組まれ、私が先行的腎移植を行った1症例を、腎移植外科 三宅先生が当院での先行的腎移植についてのまとめを発表したのちに、特別講師として東京女子医科大学 泌尿器科主任教授 田邉 一成 先生をご招待し、ご講演いただきました。
田邉先生の講演
田邉先生には現在の腎移植の状況だけでなく、未来の腎移植についてもとても刺激的なお話をしていただき、大変勉強になりました。
上の写真は講演後にみなさんでお食事をして親睦を深めたときの写真です。。
私を含めて一部の人は顔が赤くなっていますね(苦笑)。
田邉教授は医学だけでなく様々なことにも造詣が深く、医療人として医学の知識だけでなく、教養の深さも必要だなぁと痛感しました。
今後は腎移植の症例が多くなってくるだろうと予想され、腎臓内科として腎移植を診ていく必要性は生じてくると思われます。
湘南鎌倉総合病院に来て2年目になり、1年目の時に比べれば慣れてきたところであり、勉強する時間ができてきたので腎移植のことについて更に知識を深めていきたいと思います。
次回は僕の同期である、吉田先生です。よろしくお願いしまーす。
腎免疫血管内科
松浦 亮
<Vo.28>【腎免疫血管内科 若手医師育ってます!!】
報告が遅れましたが、今回は久しぶりに研究会発表の成績についてブログを書かせてもらいます。H26年3月1日に神奈川CAPD研究会がワークピア横浜で開催されました。発表のテーマは、「腹膜透析腹膜炎における排液培養方法の検討」です。国際腹膜透析学会のガイドラインでは、腹膜透析患者での細菌性腹膜炎の診断のため、透析液排液を一度遠心分離し、その沈殿物を懸濁したものを血液培養ボトルか血液寒天培地を用いて培養すること、と記載されています。しかしボトル培養か固形培地の培養のどちらがいいのか、あるいは排液をそのまま血液培養ボトルで培養しては検出率が低下してしまうのか? これらの疑問を評価するために当院で検討を行った成果を報告して参りました。
この研究は、上級医から与えられたテーマではなく、持田先生自らが抱いた疑問を自分自身で試験デザインを考案し検討した研究でしたが、このテーマは他にも多くの医師が興味をもっていた問題のようで、当日は会場から多くの質問がありました。
神奈川CAPD研究会は今回で第28回目であり、全国の中でもこれだけ古くから継続されている活発な腹膜透析関係の研究会はなく、医師だけでなく看護師や栄養士、医療ソーシャルワーカーなど多職種が集う研究会ですが、持田先生は医師部門で最優秀演題賞を見事に受賞しました。これは昨年の第27回研究会で当院の堤先生が優秀演題賞を受賞したのに続き、当院から2年連続の快挙です。
最優秀演題賞受賞 持田医師
当院では多職種が介入したチームとして腹膜透析医療を展開しており、透析患者のなかで腹膜透析の占める割合は25%前後と、全国平均の3%を大きく上回っています。その分、多くの患者様の診療を通じて得られた知見を広く世界に発信してゆく義務があり、今後も引き続き皆で研鑽を積んでいきたいと思います。
血液浄化部
守矢 英和
<Vo.27>【今までお世話になりました】
腎免疫血管内科4年目医師の長谷川正宇と申します。一昨年より2年間湘南鎌倉総合病院に勤務いたしましたが、3月いっぱいで病院を離職することとなりました。これまで日高先生にブログを書くよう昨年度より急かされており、忘れたふりをしてごまかしておりましたが、いよいよ逃げきれない状況になりましたのでこの機にブログを書かせていただきます。
長谷川先生最後の挨拶
私はもともとの出身は東京ですが、大学時代から関西に住んでおり、一昨年当院へ入職する際に8年ぶりに関東へ戻ってきました。そんなわけで当院がどのような病院か全く知らない状態での入職となり、その後まもなく大きなカルチャーショックを受けることとなります。憧れの湘南ライフは儚い夢と消え、結局鎌倉も江ノ島も湘南海岸も逗子も葉山も遊びに行くことなく2年間が終わってしまいました。(これは忙しさよりも私の怠惰によるものが大きいかもしれません)
釣り大会(船酔いする前の元気な姿です。)
日本一救急搬送が多い病院はどのようなものか、と入職前は感じておりましたが、実際に中に入ってその姿を見てみると、そこからは現在の高齢者・地域医療が直面する問題点が多く浮かび上がってきて、近い将来日本の医療が経験するであろう状況の、当院はまさに縮図ではないかと感じました。当院の医療スタッフは、そのような常に多忙な状況であるにもかかわらず皆一生懸命で本当に素晴らしいな、と頭がさがる思いです。が、それだけで終わってしまってはいけなくて、このような病院が存在することは医療人は決して忘れてはいけないと思います。私の医師人生にとっても貴重な経験になりました。
腎免疫血管内科も非常に活動的で、常に30-40人ほどの入院患者さんを診療し、また外来透析患者も多く、他の病院では考えられないくらい多くの患者さんを診療しております。それだけでなく学会活動も積極的で、(その凄さは他の先生達が書かれているので、ここでは多くは語りませんが)小林先生や部長の先生方が学会などで講演されている姿は非常に刺激的でいつも羨望の眼差しで見ておりました。透析室や13Fの医療スタッフには、いつも助けられてばかりでした。そのような環境で研修ができたことは幸せなことであったと思います。この2年間を振り返ろうにも、中身が濃すぎてここだけでまとめることは到底できません。
腎不全には腎代替療法が存在することから、腎不全そのものが原因で命を落とすことは少ないです。その代わりに患者さんは一生腎臓病と付き合っていかなくてはなりません。腎臓内科医は患者さんと生涯向き合っていかなくてはならないし、患者さんの人生だけでなく患者さんの家族も背負って診療にあたっていかなければならない。しばしば医師というものは病気を"見"てしまいがちになりますが、そんな当たり前のことを当院での2年間の研修を通して改めて感じます。そのために腎臓内科医は、ベッドサイドに行ったり、顕微鏡を覗いたり、時にカテーテルを入れ、透析を行ったり etc... 、するのだと。そう考えると、まだまだ(×∞)やらなくてはならないことが大量に浮かんできます。。。
最後になりますが、2年間本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
腎免疫血管内科の皆さんお世話になりました。
腎免疫血管内科
長谷川 正宇