血液浄化療法とは?
血液浄化療法は血液から不要、あるいは有毒な物質を除去する治療方法で、透析・ろ過・吸着・分離などの方法があります。最も広く行われている血液浄化療法は慢性腎不全患者さんに対する血液透析療法です。
その他に肝不全や血栓性血小板減少性紫斑病、活動性のある膠原病でステロイドや免疫抑制剤の投与だけでは改善が難しい場合などには、血液を液体成分(血漿)と細胞成分(赤血球・白血球・血小板)に分離して(アフェレシス)、血漿成分を破棄して新鮮な血漿を補うという血漿交換療法も含まれます。また、潰瘍性大腸炎やクローン病という炎症性腸疾患の患者さんに対する血球吸着療法などもあります。
このように血液浄化療法とは、血液中に存在する病因物質を体外循環を通して除去し、場合によっては不足しているものを補う治療法のことを意味します。
血液浄化療法を行う際には、血液を取り出し、浄化した後に血液を身体に返す必要があります。血液透析療法の場合には腕の動脈と静脈をつなぐ手術(シャント手術)を受けていただき、シャント静脈に多くの動脈血が流れるようにします。血漿交換療法など特別に施行する血液浄化療法の際は肘の静脈から脱血し、他の静脈に返血しますが、十分な血流が得られない場合にはダブルルーメンカテーテルを頚部や鼡径部(足のつけね)に挿入して施行します。
血液浄化療法の種類
- 血液透析(hemodialysis:HD)
- 血液ろ過(hemofiltration:HF)
- 血液ろ過透析(hemodiafiltration:HDF)
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血漿交換(plasma exchange)
血漿交換 - 二重ろ過血漿交換 (double filtration plasmapheresis: DFPP)
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血液吸着(hemoadsorption)
エンドトキシン吸着療法
活性炭吸着療法 -
血漿吸着(plasma adsorption)
LDL吸着療法
免疫吸着療法 -
血球吸着(cytapheresis)
白血球吸着療法
顆粒球吸着療法