腎移植・ロボット手術センター
センターの概要・設立の背景
湘南鎌倉総合病院では、2012年より腎臓移植を開始しておりこれまでに約160例の腎臓移植を行っています。腎臓移植の成績は非常に良好で1年生着率98%、5年生着率は95%となっています。
今回、当院では、今後の多臓器移植も視野に入れて2022年10月より「腎移植・ロボット手術センター」を設立いたしました。
前東京女子医科大本院病院長で長年にわたり腎臓移植のリーダーを務めている世界的にも有名な田邉一成医師をセンター長に、カナダアルバータ大学で長年移植外科医として活躍されていた米国移植学会肝臓・腎移植認定医である川原敏靖先生を副センター長に迎え臓器移植を大きく発展させるべく活動を開始いたしました。
腎臓移植に関しては、腎臓病総合医療センターの小林修三院長、日高寿美センター長、山野水紀医長をはじめとした腎移植内科医が中心となり内科管理を行い、田邉一成 腎移植・ロボット手術センター長、川原敏靖 腎移植・ロボット手術センター副センター長、はじめ外科系医師が手術を担当いたします。腎移植内科医は、術前検査から術後経過観察まで幅広く管理いたします。外科医は、腎移植経験数2000例を超える田邉一成臓器移植センター長、北米での腎移植を多数経験している川原敏靖 臓器移植副センター長はじめ、腎臓外科の清水俊洋医師が安全、確実な手術を担当いたします。田邉センター長は血液型不適合腎移植では世界的権威であり海外からの招聘講演も多数引き受けています。また、他施設ではあまり行われていない2回目、3回目の腎移植症例や尿路の疾患がある症例、血管吻合が難しい小児腎移植などの経験も豊富で安全な腎移植手術には定評があります。さらに、生体腎移植ドナーに対する後腹膜アプローチによる腹腔鏡手術は、2000年に当時、東京女子医大にいた田邉医師、宮本医師により確立された方法で、最も侵襲性の低い手術と考えられています。田邉医師はこれまでに2000例近い執刀、指導を経験しています。川原医師は、日本では数少ない米国移植医学会の肝臓移植、腎臓移植の公式認定医であり多数の脳死腎移植および肝臓移植を北米で経験しております。
湘南鎌倉総合病院 臓器移植チームは現在米国に若手医師を臨床研修に送り出しており数年後にはこれら若手医師の帰国が始まりますのでさらに大きく飛躍していくものと思います。
また、今後、新たな腎不全治療とし、AIM医学研究所代表理事・所長の宮崎徹教授と共同研究を行い、AIMの腎移植に対する臨床応用に向けて臨床研究がすすめられています。この研究が進むとAIMによる腎不全治療が可能となり、透析が必要なくなる日も近いと思います。
センター長ご挨拶
10月より「腎移植・ロボット手術センター」センター長として赴任しました田邉一成です。
私は1984年からほぼ40年にわたり東京女子医科大学にて腎移植の臨床と基礎研究に邁進してまいりました。これまでに経験あるいはコンサルトされた腎移植症例は2000例近くになります。通常の腎移植はもちろん、外科的困難症例、膀胱などの尿路異常を有する症例の腎移植、血管吻合困難例、血液型不適合症例、抗ドナー抗体陽性症例、低体重の小児腎移植、2回目・3回目・4回目といった多次腎移植など多くの困難症例を経験してまいりました。さらに、ドナーにたいする低侵襲手術としての後腹膜鏡下ドナー腎摘出術は、東京女子医大在任中に私と宮本医師が中心となり20年まえに確立した術式です。
また、研究面では30年にわたり臨床症例のデータベースを確立し膨大な統計データから多くの論文を発表、あるいは発表の指導を行ってまいりました。また、基礎研究についても在任中に40名近い大学院生を指導し多くの重要な基礎研究を行ってまいりました。
今後、湘南鎌倉総合病院では多くの腎移植を行いつつ非常に重要な基礎研究の臨床への応用に向けて準備しております。特に、AIM医学研究所の宮崎徹教授との慢性腎不全の根本治療の確立に向けての共同研究は、今後の臨床応用に向けて病院および腎移植・ロボット手術センター、腎臓病総合医療センター、一丸となって研究を推進していくつもりです。この研究が臨床に応用できるようになれば、透析療法が不要となる可能性もあり、腎不全患者さんにとって大きな福音となるものと思われます。
湘南鎌倉総合病院の腎移植については、小林院長(前腎センタ―長)、日高腎センター長を内科の主軸として、また、外科系は私、田邉、副センター長の川原部長、五十嵐医長、清水部長、そして若い優秀な外科スタッフ、移植コーディネーター、薬剤師、検査技師など腎移植チーム一丸となり大きく発展させていきたいと思っております。
院長補佐、腎移植・ロボット手術センター長、泌尿器科 統括部長
認定等 | 医学博士、日本泌尿器科学会 専門医・指導医、日本透析医学会 専門医・指導医、日本腎臓学会 専門医・指導医、日本泌尿器科学会・日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定制度審査委員・認定医、日本泌尿器科学会・日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター認定制度認定医、共用試験実施機構医学系共用試験FD小部会(OSCE) 共用試験医学系OSCE評価者、日本内視鏡外科学会 技術認定(泌尿器腹腔鏡)、日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医、日本内分泌・甲状腺外科専門医認定医 |
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所属学会 | 日本泌尿器科学会、日本移植学会(理事)、日本透析医学会、日本腎臓学会、日本癌治療学会、日本臨床腎移植学会(副理事)、日本排尿機能学会、国際泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会、米国泌尿器科学会、American Society of Transplant Surgeons、American Society of Transplantation、欧州移植学会、国際移植学会、腎移植・血管外科研究会(世話人)、日本臓器移植関連学会協議会 日本泌尿器科学会(世話人)、日本内視鏡外科学会、公益財団法人日米医学医療交流財団(評議員)、Japan Korea Transplantation Forum(executive member)、Congress of the Asian Society of Transplantation(executive member) |
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腎移植・ロボット手術センター 副センタ―長
肝胆膵外科 部長
認定等 | 医学博士、日本外科学会指導医・専門医・認定医、日本肝臓学会指導医・専門医、日本消化器病学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会認定がん治療認定医、日本移植学会認定医、OSCE外部評価者認定医、Certificate by American Society of Transplant Surgeons (Liver and Kidney transplantation)、日本肝胆膵外科学会評議員、高度技能専門医 |
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所属学会 | 日本外科学会、日本肝臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本移植学会、日本内視鏡外科学会、日本ロボット外科学会、American Society of Transplant Surgeons |
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腎移植・ロボット手術センター部長
認定等 |
日本外科学会 専門医、日本消化器外科学会 専門医・指導医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本腹部救急医学会 認定医、日本消化器がん外科治療 認定医、日本がん治療 認定医、日本旅行学会 認定医、緩和ケア研修会受講済、ロボット手術(da Vinci)certificate 取得(助手) |
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所属学会 |
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本内視鏡外科学会、日本消化病学会、日本肝臓学会、日本大腸肛門病学会、日本臨床外科学会、日本腹部救急学会 |
略歴 |
2009年 3月 弘前大学 医学部医学科 卒業 |
2009年 3月 独立行政法人国立病院機構災害医療センター 初期臨床研修 | |
2011年 3月 旭川医科大学外科学講座 消化器病態外科学分野(肝胆膵・移植外科) | |
2018年 4月 横浜旭中央総合病院 外科 | |
2023年 1月 湘南鎌倉総合病院 腎移植・ロボット手術センター 部長 |
運営サイト
腎臓病総合医療センターサイト
腎移植・ロボット手術センターは、腎臓病総合医療センターと密接に連携して運営しております。 腎臓病総合医療センターの詳細は以下のリンクからご覧ください。