血管造影検査3(DSA/腹部)
概要
カテーテルと呼ばれる細い管のようなものを肘または足の付け根の動脈から血管内に挿入して目的部位まで進め、そこから造影剤を注入することにより血管を描出する検査を腹部血管造影検査といいます。
ここでは胸腹部領域の血管病変や腫瘍、または四肢の血管病変に対する診断や治療を行っています。
5Fには二台のAngio装置(血管撮影室)があり、一台は主に放射線科が使用し、もう一台はOPE室の中にあり主に血管外科で使用しています。
検査装置
PHILIPS BV5000
血管外科用造影装置
新病院開院と同時に血管治療専用手術室が設けられ、専用の血管造影装置が新規導入されました。
特徴として大視野フラットパネルディテクタのX線検出器を搭載した優れた画質と、CT画像のように軟部組織を描出するCTライク画像や3D画像によるカテーテルナビゲーションシステムなど先進の機能を兼ね備えているため、より高精度な診断と治療を行うことができます。
特徴
腹部血管造影検査
放射線科では肝細胞癌に対して、その癌を栄養する血管までカテーテルを入れていき、塞栓物質を直接流してその栄養血管を塞栓することで癌を壊死させるTAE(血管塞栓術)や、同じようにしてカテーテルから癌に対して抗がん剤を注入するTAI(抗がん剤動注療法)、良性腫瘍である子宮筋腫の栄養血管を塞栓して筋腫を壊死・縮小させるUAE(子宮動脈塞栓術)などを主に行っています。
これらは体にメスを入れることなく腫瘍を壊死または縮小させることができるため、身体的負担の少ない有効的な治療法であるといえます。
血管外科
血管外科では大動脈瘤に対する先端治療である人工血管とバネ状の金属(ステント)を一体化させたステントグラフと呼ばれるものを動脈瘤内に内挿することで破裂を予防するステントグラフト内挿術や、四肢の血管が動脈硬化により狭搾・閉塞してしまうASO(閉塞性動脈硬化症)に対して血管内でバルーン(風船)を膨らませて血管を広げ、そこにステントを留置することで再狭窄を防ぎ血流を確保するPTA(経皮的血管形成術)などを主に行っています。
これらはOPE室で行うことにより侵襲的な手術も同時に行えるため手術と血管内治療を組み合わせた「ハイブリッド手術」が可能です。