微少肺病変に対する胸腔鏡下精密縮小手術
呼吸器外科 メニュー閉じる開く
近年、CTにより小型で淡い陰影が見つかるケースが増えています。
しかし、胸腔鏡手術の普及の影響もあり、淡い小型肺病変を手術中に確認(触診)することは難しくなっています。
このような病変に対し、当院では2015年から呼吸器外科と内科共同で、気管支鏡下で病変の周囲に色素(インジゴカルミン=やや紫がかった青みのある着色料)を撒いて肺表面にマーキングをし、そのマーキング部分を含めた肺切除を行うことで、病変を確実に切除する方法を導入・実施しています。
Virtual assisted lung mapping(VAL-MAP)
CTによるターゲット気管支の決定
バーチャル気管支鏡画像
色素撒布
各ターゲット気管支に透視下気管支鏡でインジゴカルミン1mlずつ撒布
マーキング後3DCT
手術時の色素撒布部の様子
この方法を使うことによって切除前に術野と同等の3D画像が得られ、手術プランが立てやすくなるだけでなく、術中触診範囲が限定(縮小)さたり、または触診が不要となったり、マーキング部を含めた切除で病変と切離ラインのマージン(距離)が確保できるなどの利点があります。
これにより従来手術自体が難しく経過観察されていた小型肺がんや転移性肺腫瘍をより早期に切除できるようになり、有用と考えています。