ダヴィンチXi
ダヴィンチ(daVinci)サージカルシステム
ダヴィンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。 この装置はロボット部と操作部、助手用のモニターで構成されており、高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。 ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける4本のロボットアームと内視鏡が装着され、術者は箱型の操作部に映し出される鮮明な内視鏡画像を見ながら人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具を使用し、精緻な手術を行うことができます。また、このロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
①サージョンコンソールと呼ばれる操縦席に座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。
②ペイシェントカートの4本のロボットアームにその動きが伝わります。
③ビジョンカートのモニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフも同じ画像が共有されます。
ダヴィンチの特徴
体への負担が少ない
数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。
鮮明な3D画像
コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。術者はモニターで奥行きのある体内画像を見ることができます。
精密な動きを再現
医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダヴィンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。
内視鏡手術支援ロボット ダヴィンチによる前立腺摘出術
前立腺がんの手術は、前立腺が狭い骨盤の奥にあり、近くに血管や尿道括約筋、勃起神経があるため、出血しやすく、術後に尿失禁や性機能障害などが起こる可能性があります。 ダヴィンチには、狭い空間でも良好な視野を得て、精緻な操作を可能にする機能がある
- 高解像3D画像
- 人間の手首並みの自由度を持った鉗子
- 手の震えを制御する手振れ除去機能
などを活用することで、より安全・確実な手術が期待されています。
内視鏡手術支援ロボット ダヴィンチの利点
肉眼の10 倍の視野で手術を行い、人間の手以上の複雑で繊細な手術が可能な手術方法です。そのため、これまでの開腹手術や腹腔鏡手術の技術をそのまま生かすことができ、またそれ以上の手術操作が可能です。ロボットによる手術の利点として、
- より早い術後の回復
- より少ない出血量
- 優れた根治性、尿禁制を含む機能の温存
などが期待されています。
前立腺がんの治療には内分泌療法、放射線療法,手術療法などがあり、さらにそれぞれの療法はいくつかの治療法に細分されます。 前立腺がんの治療方針を決めるためには、まず前立腺がんがどのくらい進行しているのかを検査し、進行の程度や悪性度、患者の健康状態、年齢、合併症の有無などを総合的に判断して決定します。 当院、泌尿器科を受診していただき、主治医と御相談下さい。