腎臓内科ブログ
<Vo.5>【神奈川腎研究会 レポート 2010年11月28日】
腎臓内科チームにとってとてもうれしいことがありましたので、もともとは持田先生が担当の順番でしたが、今回は腎臓内科部長 大竹が担当します。
11月28日日曜日の午後、第80回神奈川腎研究会が横浜で開かれました。
そうそうたる諸先輩の先生方が支え推進してきた研究会で、伝統と格式のある研究会です。
私は10年前に静岡県富士宮の田舎から神奈川に転勤してきましたが、私の名前を知る人はだれもおらず、周りを見回せばそうそうたる先生方ばかりで大変緊張しました。
田舎者が神奈川に赴任して最初に神奈川県内で発表したのがこの研究会で、「透析患者に生じた慢性マンガン中毒」の症例をとても緊張しながら発表したことを今でも覚えています。
原因はサプリメントの過剰摂取でした。
今回は、我々腎臓内科チームの医長、岡真知子先生が発表しました。
難治性の原因不明の腹水貯留を認めた血液透析患者さんで、どうにもこうにも診断がつきませんでした。
骨盤底部に小さな腫瘤が疑われ開腹手術で組織検査まで行いましたが、得られた組織所見はXantomatous tissueで特筆すべき所見が得られなかったように判断され、診断に行き詰まりました。
しかし岡先生は組織所見結果を細かくしつこく追いかけて、通常なら見過ごしていたであろう泡沫化細胞が集族している所見を重要と捕えました。
その後もしつこくこの患者さんの問題に食らいついて、腹水のフローサイトメトリーまで行って、診断にたどり着きました。
まず経験することのない非常にまれな疾患で透析患者での報告は過去にありませんでした。
この研究会では第78回より優秀演題への褒賞制度が始まりましたが、岡先生の発表が今回の優秀演題賞として研究会で表彰されました。
大変名誉なことで、チームみんなでとても喜んでいます。
ブログを担当した私大竹も自分のこと以上にうれしく思い、表彰状と一緒に岡先生の写真を載せることにしました。
これからも皆で頑張っていきましょう。次回のブログは持田先生です。お願いしますね。
腎臓内科
大竹 剛靖