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腎臓内科ブログ

<Vo.26>【モザンビーク透析医療の実際】

腎臓内科
2013.07.07

血液浄化部の日高です。ブログを更新します。
今年の4月から5月にかけて、アフリカのモザンビーク マプト病院透析センター視察およびスワジーランド フラティクル病院透析センター開設のために、小林先生、血液浄化センター看護師の塩野さん、臨床工学技士の北畠さん、そして私の4人で鎌倉から出発しました。今日はモザンビークの話をしますね。

透析センター外観
透析センター外観

透析センター入り口にあるメモリアルプレート
透析センター入り口にあるメモリアルプレート

成田からパリ、パリから南アフリカのヨハネスブルグ、ヨハネスブルグからモザンビークの首都マプトという経路で行きました。今回、私は初めてパリから南アフリカへ飛びましたが、夜11時20分発のフライトで、もう結構眠ったなあと思って、目が覚めて座席前の地図を見るとまだ赤道より北側です。やっぱりアフリカ大陸は縦にも大きい!!と実感した次第です。11時間半かけてヨハネスブルグ到着です。そこからモザンビークへは1時間程度のフライトでした。
 モザンビークのマプト病院からの研修者を受け入れたのが2008年夏。それが私達のアフリカとの交流の最初でした。マダレーナ先生、エンジニアのボルジェス、看護師のクレミウデとオルランダが鎌倉にきて4週間研修を行いました。彼らの国には透析の機械が全くなく、末期腎不全になってしまうともう何もできない国でした。そのような国々に“命だけは平等だ”の理念のもと、徳田徳洲会理事長が透析機器を寄付し、また実際の透析治療をどうやるのか、研修に日本にきてもらうことが始まりでした。そして、2008年12月に小林先生、大竹先生、塩野さん、臨床工学技士の西坂さんの4人がマプトへ行き、透析センターの立ち上げをしました。今回、私達の出張の1つの目的が、実際に5年たって透析センターはどう稼働していうのかをみることでした。

再会を喜ぶマダレーナ先生と小林先生
再会を喜ぶマダレーナ先生と小林先生

 私にとっては初めてのマプト病院です。とても広く、大きな木がたくさんある庭があり、いろいろな科が個々の建物にわかれて存在していました。たくさんの学生さんも見かけました。血液浄化センターには10台の透析機器があり、すべて稼働しており、なんと登録患者数が40人だそうです。日本と同じ、午前午後の2クールの透析治療を月曜日から土曜日まで行っています。私たちが5年前に教えた透析治療のやり方をきちんと守って、安心・安全な医療を患者さんに提供するよう頑張っていました。患者さんが元気に透析に通ってくる様子を見て、私達はとても嬉しく思いました。

透析治療風景
透析治療風景

透析チャート
透析チャート

鎌倉にきた看護師のヴィディア、エンジニアのボルジェスとエルデル
鎌倉にきた看護師のヴィディア、エンジニアのボルジェスとエルデル

真面目で堅実なモザンビークの人々。人口2000万人のモザンビークに10台の透析機械ではまだまだ足りないけれど、それでも大きな一歩、いえもう何歩も進んでいます。もう一人の腎臓内科医師であるエルザ先生は今子供をつれて旦那さんとは別居しながら南アフリカ ヨハネスブルグの病院で腎臓病全般(移植もふくめて)を1年かけて研修中です。エルザ先生も2009年夏に鎌倉を訪れ、研修を受けた仲間です。帰りのヨハネスブルグの空港で、エルザ先生と久しぶりに会うことができたのもよかったです。
皆が努力して着実に透析医療を実現している様子を今回実際に見て、感じることができ、本当に嬉しく思えた一日でした。

そして、モザンビークのマプトはインド洋に面してきれいな海岸線の広がる素晴らしいところでした。この美しい日の出をみてください。お食事はたこやいかなど魚介類がとってもおいしいですよ。ぜひ、機会がありましたら、モザンビークを訪れてみてください。
次回はスワジーランドの報告をいたします。ではまた。

マプトの日の出
マプトの日の出

血液浄化部
日高 寿美

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