腎臓内科ブログ
<Vol.99>【日本臨床腎移植学会に参加して】
日本臨床腎移植学会が2月14日から16日まで神戸で開催され、参加してまいりました。当院からは栄養士、看護師、移植コーディネーター、医師より、合計7演題を発表しました。一般病院からの演題数としては多い方で、湘南鎌倉の腎移植への熱意を伝えられたのではないかと期待しております。
当院は2012年より腎移植をスタートし、移植外科と移植内科、腎臓内科を始めとして、多職種のスタッフに支えられながら、これまで60例以上の腎移植を行ってきました。昨年より腎移植内科も設置され、腎臓内科がより移植に関わるようになり、私たち後期研修医も移植患者さんの手術前、周術期、術後管理を担う一員として携わっております。移植は手術をして腎不全治療が終わるのではなく、手術後もドナーからいただいた貴重な腎臓を大切にするべく、細やかなケアや腎臓の評価が必要になります。移植後の感染症、拒絶、糖尿病、心血管合併症など、問題は多岐に渡り、各セッションでは最新の知見に基づいた活発なディスカッションを学会の場で聞くことができました。私は趣味で水泳をしていますが、学会会場には移植をしてから元気になって水泳をしている患者さんの写真が飾られていて、移植をきっかけに活動の場や時間が広がり、より豊かな生活をされている方々をもっと応援していきたいと改めて強く感じました。
腎臓病総合医療センター後期研修医
大木 里花子
初のブログ登場になります。昨年度の4月から鎌倉で勉強させていただいている、後期研修医の松井賢治と申します。
今回,神戸で行われた日本臨床腎移植学会に参加し、ABO血液型不適合の生体腎移植についての症例報告をしてきました。
例えばA型のドナーからO型のレシピエントへの移植では、レシピエントの体内で、ドナーの腎臓に対する抗A抗体によって拒絶反応が起こってしまいます。それを予防するために免疫抑制剤などを使って術前に治療するのですが、どのような治療法が適切なのかについて様々な視点からの発表があり、議論が盛り上がりました。
3日間のこの学会には、外科医、内科医、看護師、移植コーディネーター、栄養士、薬剤師、検査技師、作業療法士などたくさんの職種の方が参加していて、移植がまさにチーム医療であることを実感しました。全体の懇親会も盛況でした。
内科医として腎移植に関わる上で、移植腎病理の評価、移植後の血圧・貧血・CKD-MBD・血糖管理、免疫抑制療法など問題は多岐に渡ります。これから積極的に勉強して関わっていきたいと思います。
腎臓病総合医療センター後期研修医
松井 賢治