令和3年度 湘南鎌倉総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 365 264 376 685 1224 1870 2481 5278 5076 1519
令和3年度の退院患者数を年代別に割り振っています。(年齢は入院時点で集計)
当院は総合病院かつ救命救急センター指定病院であり、救急患者さんを断らず受け入れているため幅広い年齢層に分布しています。
中でも後期高齢者を含む70歳以上の患者さんの割合は、全体のうち6割以上を占めており、依然として高齢患者さんが多いのが現状です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎-手術なし-処置2:なし 237 18.79 20.57 27.43% 83.64
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 207 13.50 13.14 13.04% 81.69
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上)-処置2:2あり 78 25.54 31.19 30.77% 80.55
050130xx9900xx 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 66 18.09 17.35 18.18% 83.79
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上)-処置2:なし 66 22.86 19.22 21.21% 79.92
内科は疾患を専門的に扱う内科と総合的に扱う内科があり、この表は総合的に扱う内科のものです。
また、複数科にまたがる管理が必要な場合(慢性心不全に胃潰瘍が合併した場合など)にも総合内科が対応します。
代表的な疾患としては、感染症(肺炎、尿路感染症、敗血症)や電解質異常(脱水、低カリウム血症、低カルシウム血症)、薬物中毒(睡眠剤、抗精神薬・抗うつ薬の過剰摂取)、膠原病(原因不明の不明熱や関節痛、皮疹)など、臓器特異的な症状を呈さない疾患などがあります。
集計結果では平均年齢が高い肺炎や尿路感染症の患者さんが多く、平均在院日数も病院全体と比較すると長期である結果となりました。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし 967 1.58 3.06 0.00% 72.03
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置2:なし 730 3.46 4.79 0.41% 69.05
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし 632 2.89 4.36 0.16% 73.87
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし 365 1.87 3.27 0.27% 74.40
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 243 3.82 5.32 0.41% 77.65
循環器内科にて症例が多いのは狭心症・心筋梗塞などの急性・慢性の虚血性心疾患の患者さんになります。
疾患に対して心臓カテーテル検査(診断)を行い、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を多く行っております。
また、頻脈性不整脈に対して、カテーテルから主として高周波電流通電を局所異常回路に対して行い、不整脈を根治する治療法を行っており、対象疾患は、発作性上室性頻拍症、WPW症候群、心房粗動、頻発性心室性期外収縮でしたが、近年は発作性心房細動のみならず慢性心房細動に対しても積極的に行っております。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-手術なし-処置2:なし-副病:なし 23 6.74 14.75 0.00% 66.39
070470xx97xxxx 関節リウマチ-その他の手術あり - - 23.90 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチ-手術なし-処置2:なし - - 15.50 - -
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-手術あり - - 36.13 - -
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-処置2:なし - - 18.42 - -
リウマチ科では主たる病気である関節リウマチを中心に、全身疾患として膠原病を含め診療を行っています。
投薬治療の他に生活リハビリ指導、必要時には他科と連携し手術を含めた治療を検討しています。
令和3年度より常勤医が新たに赴任し、これまでより多くの入院患者さん受け入れることが可能となりました。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー-処置1:あり 63 1.94 2.13 0.00% 1.90
080270xxxx0xxx 食物アレルギー-処置1:なし 27 1.82 2.35 0.00% 5.56
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)-副病:なし 26 5.23 5.83 0.00% 1.15
040100xxxxx00x 喘息-処置2:なし-副病:なし 18 4.17 6.24 5.56% 3.89
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害-手術なし - - 10.28 - -
入院管理が必要となる喘息や呼吸器感染症の他、食物アレルギーに対する食物経口負荷試験の日帰り入院を積極的に行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 245 1.97 4.74 1.63% 72.26
060150xx03xxxx 虫垂炎-虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 150 3.77 5.40 0.00% 42.31
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 142 9.16 9.00 2.11% 74.67
060335xx02000x 胆嚢炎等-腹腔鏡下胆嚢摘出術等-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 124 3.85 7.11 0.81% 61.73
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-副病:なし 99 14.98 15.76 3.03% 73.31
対象疾患は一般外科のほか、呼吸器外科(気管・肺・縦隔などの良性・悪性疾患)、消化器外科(腹部消化器全般の悪性腫瘍、胆石症・痔などの良性疾患など)、乳腺外科(乳癌・乳腺腫瘍)、内分泌外科(甲状腺・副甲状腺・副腎疾患など)、血管外科(胸腹部大動脈瘤・末梢血管・下肢静脈瘤・透析シャント造設など)、外傷外科と多岐にわたっております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 459 16.99 25.32 50.11% 83.60
160760xx97xx0x 前腕の骨折-手術あり-副病:なし 155 3.57 4.99 0.65% 56.31
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 107 17.70 23.02 1.87% 74.50
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼-骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 70 13.89 18.36 10.00% 53.24
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼-骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等-副病:なし 59 4.61 5.74 1.69% 36.05
当院の整形外科は救命救急センター併設型の外傷センターが診療を担当しています。多発外傷および体幹外傷に関しては「外科医」を中心にチームが形成され治療に当たります。また、切断四肢、開放骨折、血管損傷、挫滅損傷などの重症四肢外傷は「外傷整形外科医」が初期から一貫して治療を遂行します。さらに偽関節・変形治癒骨折などの難治性骨折合併症についても積極的に治療します。一般的骨折も「外傷整形外科医」が手術治療からリハビリテーションまで一貫管理を行います。また、当院ではより専門性に特化した人工膝関節センターを設け、変形性膝関節症の患者さんも多く入院されています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)-鼻骨骨折整復固定術等-処置1:なし-処置2:なし 20 3.90 5.16 0.00% 39.10
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍-その他の手術あり-処置2:なし 14 10.86 6.37 0.00% 55.50
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし 11 4.73 4.01 0.00% 57.18
100100xx97x0xx 糖尿病足病変-手術あり-処置2:なし 11 30.64 24.37 18.18% 78.45
080010xxxx0xxx 膿皮症-処置1:なし - - 13.07 - -
形成外科は体表面と体表に近い体の異常を治療する外科の一分野であり、その治療範囲は皮膚や皮下・軟部組織ばかりでなく、一部の骨組織にも及びます。治療対象には、生まれつきの異常や変形、けが(外傷)・やけど(熱傷)、皮膚・皮下・軟部組織の腫瘤・腫瘍、ほくろ、あざ、足壊疽・床ずれ(褥瘡)、外傷後の変形や傷跡(瘢痕)、手術後の体の変形が含まれます。
令和3年度は鼻骨や頬骨等の顔面骨折に対する手術入院患者さんが最も多く、次いで乳癌摘出後の再建手術入院の患者さんが多い結果となりました。乳房摘出後の再建は人工物はもちろん自家組織を用いた手術も行っており、乳頭の再現まで目指しています。
脳神経外科、脳血管内外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 83 16.84 18.90 67.47% 69.95
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-手術なし-処置2:なし-副病:なし 40 10.60 8.30 20.00% 73.60
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア-椎間板摘出術 後方摘出術 39 13.72 14.22 10.26% 64.97
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし 36 12.19 9.78 30.56% 80.14
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 34 12.12 15.63 47.06% 79.00
脳神経外科は、脳のみならず、脊髄・末梢神経も含んだ神経系すべてに関わる疾患の外科的治療を診療対象としています。
また当院は脳卒中センターを設けており、緊急治療から全身管理まで行い、カテーテル技術を用いた脳血管内治療(血栓溶解療法、経皮的脳血管形成術(ステント留置術含む)、頸動脈ステント術(CAS)、動脈瘤コイル塞栓術など)を急性期あるいは慢性期に開頭することなく行います。開頭手術が適している場合は脳神経外科と連携して行っています。
令和3年度は手術適応のない外傷性・非外傷性の脳出血患者さんの入院が多いですが、椎間板ヘルニアの手術入院患者さんも多い結果となりました。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり 48 15.06 21.93 4.17% 66.81
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤-その他の手術あり-処置2:1あり 38 19.13 29.08 26.32% 72.42
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:なし 29 13.83 17.47 0.00% 72.76
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等-処置2:1あり 27 22.44 28.08 22.22% 72.44
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-ステントグラフト内挿術-処置2:なし 27 9.07 11.06 0.00% 77.48
心臓血管外科では、成人心臓血管疾患を対象にした外科的治療を行なっています。
主な対象疾患として、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞、心筋梗塞後合併症)、心臓弁膜症、大動脈疾患(胸部・腹部大動脈瘤、大動脈解離など)、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症など)などの手術治療を担当しております。
令和3年度は弁膜症、解離性大動脈瘤、胸部・腹部大動脈瘤の手術入院患者さんが多く入院されました。
産科、婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍-腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 127 2.77 6.04 0.00% 43.46
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常-子宮全摘術等 83 6.84 9.39 3.61% 34.59
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 81 3.06 6.11 0.00% 45.83
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ-子宮全摘術等 67 1.13 2.87 0.00% 46.87
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍-子宮頸部(腟部)切除術等-処置2:なし 64 1.11 3.05 0.00% 44.56
婦人科では、幅広く様々な疾患に対する取り組みがなされています。低侵襲性の腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術を行っております。
悪性腫瘍に対しても腹腔鏡下手術は行われるようになり、子宮筋腫は子宮動脈塞栓術を含め、あらゆる治療法が選択できるよう心がけています。円錐切除術や子宮鏡下手術、骨盤臓器脱の手術、腹腔鏡下手術の一部で日帰り手術を行っております。
令和3年度は子宮筋腫や卵巣のう腫の手術入院患者さんが多く、また帝王切開術を受けられる患者さんも多く入院されました。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患-手術あり-両眼 309 2.50 4.83 0.00% 77.98
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-片眼 133 2.01 2.71 0.00% 78.21
020110xx99xxxx 白内障、水晶体の疾患-手術なし - - 2.61 - -
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症-手術あり-処置2:なし-片眼 - - 6.59 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患-手術あり-片眼 - - 5.36 - -
白内障手術を多く行っております。両眼、片眼ともに手術翌日には退院可能なため、平均在院日数は短くなっています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 62 5.19 6.47 0.00% 57.73
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎-手術なし 26 6.73 5.71 0.00% 41.42
030428xxxxxxxx 突発性難聴 26 10.27 8.75 0.00% 67.12
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 25 9.64 7.84 0.00% 28.96
030390xx99xxxx 顔面神経障害-手術なし 23 10.17 9.01 0.00% 59.26
耳鼻咽喉科では鼻・副鼻腔疾患を中心に頭頸部良性腫瘍疾患、耳疾患など適応のある患者さんに対し手術を行っています。
めまい、急性難聴、顔面神経麻痺、急性炎症などの疾患に対して適宜入院や通院での点滴加療を行っています。疾患や患者さんの既往症によっては、他科とも連携して加療を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん-手術なし-処置2:なし-副病:なし 22 15.23 7.22 13.64% 64.05
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー-処置2:4あり 14 13.29 16.11 14.29% 58.00
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作-処置2:なし 13 3.39 6.40 0.00% 67.77
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 13.67 15.57 50.00% 79.08
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症-手術なし-処置2:なし-15歳以上 11 15.91 16.74 9.09% 62.36
脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診療する内科です。入院診療は、脳神経内科独自の診療とともに、総合内科とも連携して診療を行っています。
令和3年度はてんかんやギランバレー症候群・慢性炎症性脱髄性多発神経炎、脳卒中(脳梗塞や一過性脳虚血発作)、髄膜炎と幅広い神経疾患の患者さんが入院されました。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり 106 3.00 2.50 0.00% 72.49
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置2:なし 92 7.28 7.02 1.09% 74.24
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 82 13.74 13.14 10.98% 81.11
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等-経尿道的前立腺手術等 29 5.38 8.23 0.00% 74.00
110420xx02xx0x 水腎症等-経尿道的尿管ステント留置術等-副病:なし 29 3.48 3.99 0.00% 66.93
泌尿器科では、尿路感染症、悪性腫瘍、尿路結石、排尿障害から尿失禁、男性更年期にいたるまで泌尿器科領域全般に対応しています。
令和3年度は前立腺癌の精密検査や膀胱癌の経尿道的手術、尿路感染症、前立腺肥大症のレーザー手術(PVP)、尿管ステント手術の患者さんが多く入院されました。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸-手術なし-処置1:あり 141 2.00 2.03 0.00% 57.27
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 95 4.08 3.30 0.00% 75.94
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-処置2:なし 28 16.89 18.42 14.29% 77.93
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし 27 11.74 9.07 0.00% 65.89
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 21 13.48 13.12 28.57% 76.00
当院では睡眠時無呼吸症候群(SAS)に特化したSASセンターを設立しており、入院精密検査として終夜睡眠ポリグラフィー検査を多く行っています。
呼吸器内科で扱う疾患は、気管支炎・肺炎の原因となる感染性呼吸器疾患(ウイルス性・細菌性・結核性、その他)、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、呼吸器系腫瘍(肺癌)、縦隔・胸壁腫瘍、びまん性肺疾患(間質性肺炎、サルコイドーシス等)、職業性肺疾患(塵肺症、石綿肺(アスベスト))等に伴う急性・慢性呼吸不全、等多岐に渡ります。令和3年度は肺癌の患者さんが多く入院されました。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 171 5.50 10.39 1.17% 57.70
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり 50 6.86 8.75 0.00% 65.46
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり 34 14.35 13.74 2.94% 75.24
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし 27 8.67 14.62 0.00% 63.26
050130xx9900xx 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 14 13.07 17.35 7.14% 75.64
腎臓内科では、腎疾患診療はもとより免疫疾患、および動脈硬化関連疾患(血管疾患)の診療を積極的に行っていることが大きな特徴です。
腎疾患、免疫疾患、常染色体優性多発性のう胞腎・血管疾患の4つを主体とし、それぞれの疾患の病態をよく踏まえ、もっともよい治療法を患者さんに提供致します。特に、全身性エリテマトーデス(SLE)・ネフローゼ症候群・腎移植には定評があります。また、腎血管疾患・腎不全を持つ患者さんにも対応しています。
また、下肢末梢動脈疾患に対する血管新生療法を含む再生医療にも積極的に取り組んでいます。
入院では慢性腎臓病の患者さんが圧倒的に多く、血液透析・腹膜透析の導入から状態が悪化した患者さんの入院管理を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:4あり 67 9.69 10.66 1.49% 70.99
130010xx97x2xx 急性白血病-手術あり-処置2:2あり 53 29.06 37.46 5.66% 64.83
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫-手術あり-処置2:5あり-副病:なし 22 25.18 31.17 4.55% 71.14
130010xx97x0xx 急性白血病-手術あり-処置2:なし 18 18.61 14.21 5.56% 78.11
130030xx99x0xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:なし 17 7.12 9.15 17.65% 75.24
当院の血液内科では悪性リンパ腫や急性白血病等、血液腫瘍の患者さんが多く入院され、化学療法等を受けられています。
急性白血病に対する治療はJALSGのプロトコールに準じた治療を行っています。
悪性リンパ腫は標準的治療であるR-CHOP療法、CHOP療法、治療抵抗性リンパ腫に対してはDEVIC療法をはじめとするサルベージ療法などを行っています。多発性骨髄腫に対してはレナリドマイド、サリドマイド、ベルケイド、MP療法を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 178 6.57 9.21 5.06% 79.99
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 97 5.58 7.96 1.03% 75.61
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患-小腸結腸内視鏡的止血術等 50 8.34 9.63 6.00% 76.42
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患-手術なし 44 7.18 7.70 0.00% 75.57
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)-その他の手術あり-処置2:なし 44 6.73 10.84 6.82% 74.73
消化管(胃、小腸、大腸)、肝臓、胆嚢、膵臓疾患の患者さんを対象に、高度な医療機器を用いた精度の高い診断を行い、内視鏡治療やラジオ波焼灼療法などの内科的癌治療、更には外科(手術)、IVRセンター(血管内治療)、放射線腫瘍科(放射線治療)、オンコロジーセンター(化学療法)との連携による集学的医療を実践しています。
令和3年度は胆管結石や胆管炎の患者さんが多く入院し、次いで胃癌に対する内視鏡手術の患者さんが多く入院されました。それ以外には腸の憩室出血の患者さんや急性胃潰瘍の患者さんが多く入院されました。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 27 11 - 12 107 37 1 6,8
大腸癌 26 47 40 35 146 31 1 6,7,8
乳癌 28 39 11 - 36 - 1 6,7,8
肺癌 33 12 31 122 187 23 1 6,8
肝癌 - - - - 35 37 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者数を、初発時の UICC 病期分類別、および再発に分けて集計しています。
UICC病期分類とは、UICC病期分類国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3つのカテゴリによって各がんをⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するものです。
令和3年度に退院した患者さんを集計し、集計対象期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしております。「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。患者数としては大腸癌と肺癌が多い結果となりました。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 40 13.13 79.20
重症 32 15.72 84.13
超重症 20 20.90 87.75
不明 - - -
成人の市中肺炎(普段の社会生活の中でかかる肺炎)の患者さんの人数を重症度別に集計しております。
成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システムを用いています。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となります。また、成人の肺炎の指標なので、小児肺炎も集計対象外となります。
当院に入院した肺炎の患者さんは平均年齢が高く、特に重症になるほど平均年齢が高いという結果となりました。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 444 15.57 79.33 55.27%
その他 21 16.00 80.71 2.15%
脳梗塞を発症した患者さんを発症時期で区分して集計しています。
3日以内に発症した患者さんの転院率が5割を超える高い割合となっているのは、急性期治療の終了後速やかに回復期リハビリテーション病院へ転院して頂くために、地域の回復期リハビリテーション病院との連携体制を強化しているためです。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 26 8.96 20.89 23.08% 76.00
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 20 8.85 6.95 15.00% 75.55
K386 気管切開術 14 25.64 39.21 42.86% 69.29
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) etc. 13 3.69 9.54 15.38% 77.38
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 12 3.33 11.42 8.33% 65.25
この集計条件下では退院した時点での診療科で集計されるため、多くは主傷病ではない併発疾患に対して行った手術が集計されています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 624 0.80 2.04 0.32% 69.72
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 450 1.00 1.93 0.44% 73.26
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 363 0.77 4.36 1.65% 77.07
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 164 2.73 6.71 1.83% 83.39
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 128 0.80 2.80 1.56% 66.17
循環器内科では近年、頻脈性不整脈に対して行うカテーテルアブレーションの件数が増加しており、今年度も最も多い結果となりました。
また虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術と経皮的冠動脈形成術とといった心臓カテーテル治療の症例が多くなっています。心臓カテーテル治療は、腕や足の血管から心臓まで管を通して病変を治療する方法です。
それ他にも下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療や、外科的大動脈弁置換術が困難な重症大動脈弁狭窄症症例に対する経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI/TAVR)、表にはありませんが外科手術が困難な重症の僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する低侵襲な治療法であるMitraClip(マイトラクリップ)(経皮的僧帽弁接合不全修復システム)も行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 218 0.26 2.45 0.46% 61.94
K6335 鼠径ヘルニア手術 196 0.21 0.90 1.53% 72.82
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 95 0.12 2.54 0.00% 40.48
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 78 2.26 10.55 1.28% 74.00
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 56 0.09 2.82 0.00% 46.84
最も多かったのは腹腔鏡下胆嚢摘出術で、当院のクリニカルパス(治療や検査の標準的な経過をまとめた計画書)では1泊2日入院となっています。次いで多い鼠経ヘルニア手術は日帰り入院がほとんどです。当院では近年、虫垂切除術を腹腔鏡で実施する件数が増加しており、前年度は従来の術式より多い結果となりました。外科で実施している癌に対する手術では、大腸癌の腹腔鏡手術が最も多い結果となりました。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 375 1.40 13.46 40.00% 81.34
K0462 骨折観血的手術(前腕) etc. 221 1.52 4.85 5.43% 61.77
K0811 人工骨頭挿入術(股) 175 1.89 14.19 50.86% 83.41
K0821 人工関節置換術(膝) 99 1.11 15.33 2.02% 74.49
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) etc. 98 1.67 5.89 8.16% 57.82
最も多く実施されたのは大腿骨近位部骨折に対する手術でした。大腿骨近位部骨折とは太ももの骨(大腿骨)の付け根に近い部分の骨折です。多くは骨粗鬆症の進んだ高齢者、女性に起こります。また3番目に多い股関節の人工骨頭挿入術も大腿骨近位部骨折に対して行う手術です。
2番目と5番目の前腕や鎖骨に対する手術では平均年齢が他と比較して低く、幅広い年代が受傷していることが分かります。
4番目は変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術で、人工膝関節全置換術(TKA)と人工膝関節部分置換術(UKA)とがありますが、当院では変形の程度や膝の曲げ伸ばしの制限の程度などによって使い分けています。また術後のリハビリテーションは手術当日から行い、早期回復に努めています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 10 12.70 69.00 40.00% 61.60
K427 頬骨骨折観血的整復術 - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
令和3年度は下肢閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術(カテーテル治療)が最も多い結果となりましたが、この疾患には循環器内科と連携して治療に当たっています。それ以外は頬骨や鼻骨等の顔面骨骨折に対する手術や、皮膚の腫瘍切除術が実施されていました。
脳神経外科、脳血管内外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 82 0.20 15.82 71.95% 81.95
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) etc. 54 0.57 8.19 22.22% 80.17
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 40 2.00 10.63 10.00% 64.95
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 32 1.47 16.88 12.50% 71.72
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 28 6.04 32.46 10.71% 63.93
令和3年度は急性期脳梗塞に対する脳血管内カテーテル手術が最も多い結果となりました。次いで慢性硬膜下血腫に対する、穿孔洗浄術にて小さな穿頭で硬膜下に溜まった血腫を吸引する手術が多く実施されました。その他には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、脳腫瘍等、幅広い疾患に対して手術が実施されていました。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 47 3.34 9.38 10.64% 75.87
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行)(その他) 39 1.41 13.92 17.95% 71.92
K5542 弁形成術(2弁) 35 2.91 10.69 0.00% 69.89
K5551 弁置換術(1弁) 30 3.33 10.20 10.00% 64.67
K5602 大動脈瘤切除術(弓部) 16 3.63 12.75 12.50% 74.19
ステントグラフト内挿術は比較的新しい治療方法ですが、近年は急激に症例が増加している術式でもあります。血管内側にステントグラフトを経カテーテルで留置し、圧が動脈瘤にかからないようにして破裂を防ぐ方法です。
次に多い手術である大動脈疾患は患者様のリスクを評価した上で、より安全な術式を選択するよう心がけております。急性大動脈解離、大動脈瘤破裂は発症からできるだけ早く手術することが救命につながります。
続いては弁膜症で、特に僧帽弁閉鎖不全症に対しては僧帽弁形成術を第一選択に考慮しています。弁置換術における人工弁の選択(機械弁/生体弁)には、患者様のライフスタイルに合わせて、十分な情報提供のもとに患者様と一緒に考えて決定します。心房細動を合併する患者様には積極的にMAZE手術(心房細動を停止させる手術治療)をおこなう方針としています。
産科、婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 125 1.42 4.80 5.60% 34.50
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 109 0.21 1.83 0.00% 45.01
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) etc. 69 0.03 0.16 0.00% 46.90
K867 子宮頸部(腟部)切除術 65 0.00 0.11 0.00% 44.57
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 57 0.00 2.26 0.00% 39.23
令和3年度は選択的帝王切開術が最も多く行われていました。その他は卵巣のう腫や子宮筋腫等の良性疾患、卵巣や子宮の癌に対する手術が多く実施されていました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 445 0.00 1.35 0.00% 78.00
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) - - - - -
K274 前房、虹彩内異物除去術 - - - - -
K225-2 結膜腫瘍摘出術 - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
白内障手術は、従来からの単焦点眼内レンズの他、乱視用眼内レンズ、フェムトセカンドレーザーを用いる多焦点眼内レンズも導入しています。また、認知症の患者さんには全身麻酔下で両眼白内障手術も行っています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 41 1.12 3.10 0.00% 57.41
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 33 1.52 7.33 0.00% 30.76
K347 鼻中隔矯正術 13 1.31 3.00 0.00% 60.62
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 12 1.08 3.33 0.00% 58.92
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) - - - - -
主に慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎などの疾患を扱います。
慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症などの鼻副鼻腔疾患につきましては血液検査でのアレルギー検査やCT等で鼻内精査を行い、加療を行っています。手術は内視鏡、ナビゲーションシステムを導入し、難治性前頭洞炎や副鼻腔嚢胞、術後性頬部嚢胞、副鼻 腔乳頭腫、慢性涙嚢炎(涙嚢鼻腔吻合術)などの疾患に対しより安全に手術を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 105 1.73 4.70 0.00% 74.34
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 48 1.04 2.44 0.00% 69.10
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 24 1.00 3.42 0.00% 74.13
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他) 19 1.32 3.21 0.00% 68.05
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 14 1.00 3.00 0.00% 64.29
最も多かったのは膀胱癌に対する経尿道的手術で、尿道から膀胱に内視鏡を挿入し先端の電気メスで腫瘍を切除します。
前立腺肥大症に対して特殊なグリーンレーザー装置を用いた低侵襲な手術を導入し、毎年一定数の手術が実施されています。
経尿道的尿路結石除去術は、麻酔をかけた痛みを伴わない状態で尿道から「尿管鏡」という細い内視鏡を挿入、結石をモニター観察下でのレーザー砕石、または鉗子での摘出を行う治療法です。
歯科口腔外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4044 抜歯手術(埋伏歯) 12 1.00 1.00 0.00% 28.58
K4043 抜歯手術(臼歯) 10 1.00 1.00 0.00% 41.10
K4361 顎骨腫瘍摘出術(長径3cm未満) - - - - -
J000-32 上顎洞陥入歯等除去術(犬歯窩開さく) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
歯科口腔外科は令和3年4月より開設されました。口腔がん、口腔粘膜疾患、顎変形症、顎顔面外傷、インプラント、顎骨腫瘍、薬剤関連顎骨壊死などの専門的治療を行っています。令和3年度は埋伏歯や顎骨腫瘍に対する抜歯手術が多く実施されていました。開設後間もないためまだ手術件数は多くありませんが、今後はより多くの手術を実施していきます。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 22 4.86 2.46 0.00% 62.45
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 12 15.75 21.25 16.67% 70.75
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 12 7.83 9.00 8.33% 72.33
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
最も多かったのは内視鏡的大腸ポリープ切除術ですが、これは精密検査の際に偶然発見され治療を行っていました。
以下はシャントに関する手術(造設術やカテーテルによる拡張術等)が続きます。シャントとは動脈の血液の一部が毛細血管を経ないで静脈を流れるようにして作った太い静脈のことで、血液透析のために必要です。血液透析の目的は血液中の老廃物(尿素窒素、クレアチニン、リンなど)を取り除くことと、余分な体液を取り除くことにあります。効率よく血液を取り出すことと、綺麗になった血液を体に返すことが必要となり、動脈と静脈をつなぐ内シャント設置術を行います。
シャント血管は、人工的に作成し長期間使用するため、血管内が細くなったり、詰まったりしてしまします。 充分な血液流量を確保し十分な透析をしていただくよう、血管を拡張したり、血管に詰まった血栓を取り除く手術を行う必要があります。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 15 2.53 19.80 20.00% 76.47
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 11 7.09 5.18 0.00% 59.27
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -
K1262 脊椎骨(軟骨)組織採取術(試験切除)(その他) - - - - -
悪性リンパ腫の確定診断のために不可欠なリンパ節の摘出術が最も多く、これは外科と連携して行っています。
次いで白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などに対する自家末梢血幹細胞採取が多いという結果となりました。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 128 0.61 7.00 9.38% 79.72
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 95 1.00 3.59 1.05% 75.41
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) etc. 90 0.67 5.23 3.33% 79.03
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 63 1.00 5.43 4.76% 74.21
K654 内視鏡的消化管止血術 62 0.44 7.47 9.68% 75.97
最も多く実施されたのは、総胆管結石など胆道疾患に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)による手術で、胆汁の流れを良くするため、内視鏡を用いて胆道にチューブを留置します。ERCPにて、胆道の出口を切開し、結石を除去する治療も行います。
次いで胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が多く実施されました。ESDはがんの周りの粘膜を切開し、粘膜下層を剝離して切除する治療法です。
消化器内科では救急診療部と連携し、緊急性の高い内視鏡検査・処置が必要な疾患に対して迅速な対応を行っており、消化管の出血に対する内視鏡的止血術も多く実施されていました。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 95 0.50%
異なる 113 0.59%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 134 0.70%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)は感染症、悪性腫瘍等に合併する事が多い疾患です。敗血症、真菌感染症も悪性腫瘍などの治療経過中に免疫不全状態から合併する事が多い病態です。
手術・処置当の合併症は様々なものが含まれていますが、その中で多かったのは手術後に発症する切開部位等の創部感染や創離開と透析シャントのトラブルや感染症でした。手術創部の感染に対しては徹底した予防策を実施していますが、残念ながら一定数は発生することが知られています。透析シャントのトラブルは、長期的に造設されていたシャントに起こったものに対して治療を行っており、手技等に合併するものではありません。
更新履歴
2022/9/29
令和3年度病院指標を公開しました。